何かにとらわれている...
...と感じることはありませんか?
「とらわれる」という漢字は「囚」とも書き、自分自身を囲ってしまいます。
そうなると、息苦しさを感じたり、落ち込んで、悩みを抱えたりします。
そこから抜け出すにはどうしたら良いでしょうか?
今回は【心のあり方がシンプルになるヒント】として『放下着(ほうげちゃく)』についてお話いたします。
“ほっ”とひと息とコーヒーブレイクでもしながら、本文をご覧ください。
放下着
『放下着(ほうげちゃく)』とは、お釈迦さまの教えをもとに、弟子(禅僧)によって生まれた言葉である「禅語」の一つです。
「一切の過去を捨て去りなさい」という意味で、自分の身についているもの(着)を放り出す、捨て去る(放下)ことです。
私たちの身には、何かに執着する心がつきまとっています。
たった一瞬であっても、執着する心が消える時間をつくることが大切だという教えです。
悩みが生まれる原因
悩みが生まれる原因は何か?
それは、何かにとらわれているからです。
過去だけでなく、欲望や夢、ときには人間にさえも執着してしまいます
何かに執着する心、すなわち、執着心にこそ悩みの発端があるわけです。
執着心は私たちが「思い」を持つことで生まれます。
人間である限り、思いを持たないことはないため、いっさいの執着心を取り払うことは容易ではありません。
無理なことであるともいえます。
悩みを減らすための考え方
執着心を全く持たないことはできません。
ただ、その心の負担を減らして軽くすることはできます。
悩みを少しでも減らすための考え方を3つほどお話します。
まずはやってみよう!
- 人と比べない
- 自分にないものを求めない
- 悩むことをやめる
考え方1
「人と比べない」
私たちは、自分の周りにいる人だけでなく、何気なく見ているニュースや自分とは赤の他人とでさえも、つい他人と比較しがちです。
どうして自分はあの人のようにはなれないのだろうか、どうして自分はあの人のように幸せでないのだろうか、どうして自分はあの人のように人生がうまくいかないのだろうか...
...このように思ったことはありませんか?
それ、すごく疲れませんか?
いちいち他人と比較していると、それだけ悩みも増えていきます。
つまり、自分自身が悩みを作り出しているのです。
悩みを抱えた時、自分だけが悩んでいるように感じるかもしれませんが、その他人にでさえ悩んでいるのかもしれません。
キラキラと輝いているように見えてしまう他人も、そこにたどり着くまで、いろんな苦労や悩みがあったと思います。
光と影のように、私たちが見えないところ(裏)で相当悩んでいることだってあります。
もしかしたら、その他人から見た自分がキラキラと輝いているように見えているかもしれません。
他人と向き合うのもよいですが、まずは自分と向き合ってみませんか?
人と比べるとしたら、自分自身、「昨日の自分」よりも「今日の自分」です。
「良い一日だった」と過ごすことです。
考え方2
「自分にないものを求めない」
人にはそれぞれ、得意・不得意があり、できることもあれば、できないこともあります。
それは個性につながっています。
自分と合わないこと、苦手とするもの、どうしてもできないと思うのであれば、また別の道を探ってみましょう。
別の道を探ることで、自分の能力はどこで生きるのかを知ることもできたり、「手持ちカード」が増えることだってあります。
これは、人が生きるための知恵でもあります。
自分にあることから求めてみましょう。
考え方3
「悩むことをやめる」
悩むことは、脳が消耗してしまいます。
脳が消耗すると、私たちのエネルギーも消費してしまい、生きるための活力が減ってしまいます。
「自分の時間に空白をつくる」。
ときには悩むことを手放して、何も考えずにぼーっとした時間を持ってみてはいかがでしょうか。
たまには、長い時間をかけて、たっぷりと寝る。
道端に咲く一輪の花に目を向けてみる。
ただ、ゆっくりと街の中を歩く。
気持ちいいな、心地よいな〜...
この空白のような時間は、私たちにとって必要であり、大切なのです。
【まとめ】手放そう、心も楽に
禅語である『放下着』の話から、悩みを少しでも減らすための考え方を3つほどお話させていただきました。
私たちは人間である限り、悩みはどうしても生じてしまいます。
ただ、それを抱えたままでは、窮屈です。
執着心を消す時間を持つことで、悩みも軽くなります。
「何かにとらわれている」と感じた時は、一度、自分から手放してみましょう。
気持ちが開放されて、とてもスッキリ、心も楽ですよ。