穀類・豆類は薬膳の中心的な食材です。麦・黍(キビ)・稗(ヒエ)・稲・豆を五穀といいます。穀類・豆類は栄養を体全体に運んで、五臓六腑を養います。また、消化吸収を促し、元気を作り出す脾胃の働きを助けるのも特徴で、五味も「甘」が多いです。
大豆を原料として作られる豆腐は、健康食品の代表ともされる“優美な白き王様”です。
豆腐は、消化吸収も良くて、胃腸の弱い人から小さな子どもから高齢者までピッタリ!
また、低カロリー・低脂肪・コレステロールもゼロ、良質なタンパク質、カルシウムやマグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラル。
ポリフェノールであるイソフラボンが多く摂れることからも、美容・ダイエット目的にも◎です。
豆腐はとても優しい食材で、あなたの“健康美”にも良いです!
そこで、【美食】をテーマに、『豆腐』の美と健康のメリットついて、わかりやすく解説します。
食材データ
原料と別名
【英語名】Soybean curd(Tofu)
【中国名】豆腐(ドウフ)
【原料】大豆
ルーツ
豆腐は2,300年前の中国・漢時代に劉安という人物が発明しました。
その後、何世紀にも渡って、中華料理をはじめ、世界の料理で使われています。
また、世界中のビーガン・ベジタリアンにとっては、栄養価も豊富な理想的な食材として好まれています。
薬膳・漢方
【体質】陰虚、陽熱
【五性】平(*涼とされる書物もある)
【五味】甘
【帰経】脾(胃)
【東洋医学的効能】清熱潤燥、生津、解毒、補中寛胸降濁
【旬】通年
【選び方】大豆から作られてから日が間もないもの。パックの成分表示に「粗製海水塩化マグネシウム」と書かれたもの[*]。
【食べ頃】お好きにどうぞ笑
【主な栄養素】植物性タンパク質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄
薬膳・漢方とは?
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豆腐はとても優しい食材で、他の食材との相性も良いです。
また、良質なタンパク質が豊富に含まれ、消化吸収も良いため、胃腸が弱っている人や食欲がなかなか戻らない人、疲れてバテ気味な人にも良いです。
東洋医学(中医学)では、豆腐は『脾(胃)』の働きを助け、「氣」や「血」を作り出し、ストレスを緩和するとされます。
氣血の巡りも良くなり、疲労を回復し、元気になります!
粗製海水塩化マグネシウムとは?
豆腐を買う時、あなたはどういう基準で選びますか?
“本物の豆腐”を食べたいなら、ラベルの成分に「粗製海水塩化マグネシウム」と書かれている豆腐を選びましょう!
「粗製海水塩化マグネシウム」は、豆腐を固めるために使用される「天然のにがり」のことです。
実は市販で出回っている豆腐には、成分に「塩化マグネシウム(にがり)」、「塩化マグネシウム含有物(にがり)」と書かれたものがありますが、これは「乳化にがり」という凝固剤(植物油脂などで化学的に作られた添加物)です。
わかりやすく言うと、“偽物のにがり”です。
ただ、乳化にがりは表示義務がないです(紛らわしい...)。
この投稿を読んでいるあなたには、ぜひ“本物の豆腐”を選んでいただきたいです!
4つのメリット【美と健康】
豆腐には科学的にも体に良い作用があるという報告も多数あり、示唆されています。
ここでは、美と健康の観点から4つのメリットについて、わかりやすくまとめてみました。
4つのメリット
- 血管を健康に保つ
- 更年期症状を和らげる
- 骨を丈夫にする
- 貧血を楽にする
血管を健康に保つ
豆腐は牛肉などと比較すると、飽和脂肪酸が少なく、「不飽和脂肪酸」が多く含まれています。
不飽和脂肪酸は常温では液体の油脂で、豆腐に含まれる「リノール酸(ω-6)」は、コレステロールを下げてくれます。
リノール酸は体内で合成できないため「必須脂肪酸」ともよばれ、体の組織が正常に機能する上も欠かせません。
また、豆腐には細胞膜の主成分である「レシチン(ホスファチジルコリン)」も含まれています。
レシチンは水と油の両方になじみやすい「乳化作用」を持っています。
この乳化作用により、レシチンは血液内や血管に付着したコレステロールを包み込み(*「ミセル化」といいます)、血液とともに流れて除去します。
血中の脂質を下げて、血行を良くし、動脈硬化の予防にも役立ちます。
また、レシチンは肝臓から中性脂肪を運び出して脂肪肝の改善から、酸化ストレスによる脂肪肝を予防したり、神経伝達物質(アセチルコリン)の材料にもなります。
豆腐は体のコレステロールレベルを下げ、血管を健康に保ちます。
更年期症状を和らげる
豆腐に含まれる「イソフラボン」は、体内のエストロゲンホルモンと同じような働きをして、エストロゲンレベルを安定化させます。
また、豆腐には「清熱潤燥作用(体内にこもった熱を収めて、熱により乾いた臓腑を潤す)」、「解毒作用」、「補中寛胸降濁作用(胃腸を養い、「気」の巡りを良くして、老廃物を排泄する)」があります。
これにより、ホットフラッシュやイライラ、自律神経の乱れなど、更年期における特有の症状を緩和することが期待できます。
骨を丈夫にする
豆腐には、骨を形成する【カルシウム】と【マグネシウム】が豊富に含まれています。
体内のカルシウムとマグネシウムが不足すると、骨粗鬆症のリスクとなります。
特に女性は閉経後、骨粗鬆症のリスクが高まります。
女性は閉経すると女性ホルモンのレベルが下がり、「骨形成」と「骨吸収」のバランス(骨の代謝、骨のリモデリング)が崩れます。
新しい骨が作られることを「骨形成」といい、古い骨が分解・破壊されることを「骨吸収」といいます。
エストロゲンは骨吸収をコントロールして、骨形成との代謝バランスを整えます。
豆腐にはイソフラボンによる女性ホルモン様作用があるため、豆腐は女性にとって力強い食材でもあります。
貧血を楽に
豆腐は【鉄】を豊富に含んでいるため、貧血を予防する効果が期待できます。
また、現代の女性の多くは、鉄が不足しています。
鉄が不足すると、赤血球の数が減少し、貧血を引き起こします。
顔色が悪くなったり、爪が弱くなる、疲れやすい、めまい、立ちくらみがみられるようになります。
豆腐は消化吸収も良く、栄養価も高いため、貧血持ちの方にもピッタリです。
【まとめ】優美な白き王様|豆腐
豆腐は美と健康にとても良いです。
しかも、スーパーやコンビニなど、いつでも・どこでも売っていて、手に取りやすい食材です。
他の食材と組み合わせもしやすく、アレンジもしやすい。
加えて、美容・ダイエット目的◎となると、“優美な白き王様”といっても過言ではありません。
ぜひ本日の一品に豆腐を加えてみてはいかがでしょうか?(あなたも豆腐美人♪)