【“おうち美容”で差をつけよう!】Dr.Pharmacyを紹介!
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前回、【美肌の基本】(その3)では『肌を清潔に保つ|保清のポイント』について、お話いたしました。
『保清』とは「肌の常在細菌が住みやすい環境を整える」ということ。
つまり、「肌を清潔に保つスキンケア」であるとお話いたしました。
そして、その基本は「優しく洗う」ことが大切だとお話いたしました。
肌を清潔に保つ|保清のポイント
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さて、「美肌のためのスキンケア」の重要なポイント、「3つ」を覚えていますか?
スキンケアにおける3つの重要なポイント
- 保清
- 保湿
- 保護
【美肌の基本】(その4)では『肌のバリア機能を高める|保湿のポイント』について、わかりやすくお話いたします。
大事なことは...
“優しく、優しく、大事に”
です!
ぜひ最後までお付き合いください。
\“おうち美容”でモチモチしっとり肌へ/
保湿の基本:肌のバリア機能を高める
『保湿』とは、肌に水分を補給し、その水分蒸発を防いで、うるおいを保つことです。
私たちの肌は、外側から順に「表皮」・「真皮」・「皮下組織」の3層構造をしています。
中でも、表皮の最も外側に位置する角質層はわずか0.02mm程度の10〜20の層からなり、肌を守る「バリア機能」を持っています。
このバリア機能により、肌は水分を適切に保持し、乾燥を予防します。
さらに、外部の刺激やアレルギーを引き起こす物質、細菌やウイルスなどの異物の侵入、そして、温度・湿度変化など。
私たちを取り巻く環境から守る役割を果たしています。
肌の最も重要な機能は、私たちの身体の外部環境から守ることにあります。
そのためには、『保湿』、すなわち、「肌のバリア機能を高めること」が不可欠です。
これが【保湿の基本】となります。
肌のバリア機能を高める|3つのバリア因子
【保湿の基本】「肌のバリア機能を高めること」
肌のバリア機能を高めるためには、「3つのバリア因子」を保つようにケアすることが大切です。
3つのバリア因子
- 皮脂
- 天然保湿因子(NMF)
- 細胞間脂質
これら3つが失われると、肌のバリア機能が維持できなくなり、保湿力も低下します。
【バリア因子1】皮脂
1つ目のバリア因子は「皮脂」で、“天然のクリーム”ともいわれています。
毛包についている皮脂線からは皮脂、汗腺から汗(水:約99%、その他、ミネラル)がそれぞれ分泌されます。
皮脂は全身で1日1~2g 分泌され、季節や年齢、環境などによって変化します。
肌の常在菌は皮脂と水を栄養として、角質層に皮脂膜を作り、肌を弱酸性(pH:4.5〜6.0)に保ちます。
この皮脂膜があるおかげで、私たちの肌はほこりや有害な菌などから守ってくれます。
また、水分の蒸発を防ぎ、肌にうるおいとなめらかさ、そして、柔らかさを与え、乾燥を防ぎます。
【バリア因子2】NMF(天然保湿因子)
2つ目のバリア因子は「NMF(天然保湿因子)」で、表皮の顆粒細胞でつくられます。
「NMF」とは「Natural Moisturizing Factor」のことで、主にアミノ酸や尿素などでできています。
水分蒸発抑制作用(モイスチャライザー効果)があり、吸湿性(水分を捕まえる働き)と保湿性(水分を抱え込む働き)に優れ、角質層内で水分を保持して、乾燥から守ります。
年齢を重ねると、皮脂腺からの皮脂の分泌量が低下、天然保湿因子が減少します。
そのため、高齢者は角質層の水分保持能が低下しており、肌がカサカサと乾燥しやすくなります。
【バリア因子3】細胞間脂質
3つ目のバリア因子は「細胞間脂質」で、表皮の顆粒細胞でつくられます。
「細胞間脂質」とは、角層に存在する主な脂質のことで、セラミド(約46%)、コレステロール(約26%)、遊離脂肪酸(約13%)などでできています。
これらは、角質層で層状にラメラ構造(*水分と油分が何層にも重なり合った構造)を形成しており、角質細胞間の隙間を埋めて、形(構造)を整えることで、水分を保持します。
特に約半分を占める「セラミド」は、最も保湿効果・バリア機能補強効果が高いです。
アトピー性皮膚炎、敏感肌、加齢肌の方では、セラミドの含有量が低下しており、微生物やアレルゲンの侵入が起こりやすく、そのために炎症が持続して、さらにバリア機能が低下するという悪循環を形成しています。
セラミドの種類
【約28日間】肌のターンオーバー
「肌のターンオーバー」とは、表皮が一定周期で繰り返す、新しい細胞ができてから剥がれ落ちるまでの周期です。
ターンオーバーの周期は一般的には「約28日」とされます。
(*周期には個人差があり、年齢により日数が長くなります。)
表皮の細胞は一番下にある基底層で基底細胞の分裂によりつくられます。
そして、有棘細胞→顆粒細胞→角化細胞へと形を変えながら、「約14日間」で角質層に到達します。
この角質層でさらに「約14日間」とどまり、肌を守るために働いて、役目が終わると垢(アカ)となって自然と剥がれ落ちていきます。
肌のバリア因子が正常に分泌されるためには、ターンオーバーが整っていることが重要です。
ターンオーバーが遅くなると、不要な角質や細胞などの老廃物が溜まり、肌トラブルの原因となります。
当然、肌のバリア機能も低下します。
加齢に伴い、新陳代謝も低下するため、ターンオーバーが遅れるのは致し方ないところもあります。
しかし、肌の保湿力を保つためには、ターンオーバーを整えることも大切です。
食生活や睡眠の改善や紫外線対策、そして、保湿剤を塗るなどをして、肌をケアしていきましょう。
保湿剤の種類と特徴
保湿剤にも種類があり、それぞれ、使い心地や保湿力が異なります。
選ぶポイントとしては、肌に負担をかけないような「低刺激のもの」を選ぶことです。
そして、自分の肌に合っていて、長く使えそうなものを選びましょう。
また、ご自身の肌の状態や季節によって、使う保湿剤の種類を使い分けても良いです。
例えば、乾燥しやすい冬場や乾燥肌でカサつきが強い場合は、油分が多い、「クリーム・軟膏タイプ」。
汗をかきやすい夏場やオイリー肌であれば、「ローション・乳液タイプ」といった感じです。
もし、ご自身で使っているものがあれば、どの種類・タイプの保湿剤なのかをチェックしてみましょう!
ニキビ肌の保湿剤
【優しく塗る】保湿剤の効果的な使い方
保湿剤を効果的に使うタイミングは、入浴後または洗顔後に「5分以内(目安)」です。
入浴・洗顔後は、表皮の角質層が水和状態(しっとりした状態)であるため、保湿剤が角質層になじみやすく、なめらかで延びが良いです。
時間が経過すると、肌の乾燥が進んでしまいます。
乾燥が進むと、保湿剤の浸透が悪くなるため、「5分以内(目安)」に塗りましょう。
保湿剤は適量、手のひらに取って、なじませるように塗り拡げていきます。
肌のバリア機能を壊さず、素肌を傷つけないように、「優しく塗る」ことが大事です。
イメージとしては...(*『保清』の時と同じように)
「赤ちゃんに塗るような感覚で」
「優しく、優しく、大事に」を合い言葉に、自分の肌を扱いましょう。
また、肌の乾燥が特に気になるならば、入浴・洗顔後だけでなく、日中や寝る前などにも、こまめに保湿剤を使うと良いです。
そして、保湿後は、肌を『保護』することも大切です。
(*『保護』については、(その5)でお話いたします。)
【まとめ】肌がうるおうケアをしよう!
今回はスキンケアの重要なポイントの3つのうちの1つ、『保湿』について、お話いたしました。
『保湿』とは、肌の水分を補ったり、水分の蒸発を防いで、うるおいを保つことです。
そして、【保湿の基本】は「肌のバリア機能を高めること」にあります。
強固なバリア機能であればあるほど、何にも負けない肌になります。
肌のバリア機能を高めるには、3つのバリア因子である皮脂、NMF、細胞間脂質を保ち、肌のターンオーバーを整えることが大切です。
また、保湿剤は入浴後または洗顔後に「5分以内(目安)」に塗りましょう。
塗る時は「優しく、優しく、大事に」を合い言葉に、「優しく塗る」ことが大切です。
『保湿』されている肌は、とてもみずみずしくうるおって、柔らかいです。
【美肌の基本】として、『保湿』のポイントをしっかりと抑えて、“モチモチしっとり肌”を目指しましょう!
次回は『(その5)肌を守る|保護のポイント』について、お話しいたします。
肌を守る|保護のポイント
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【美肌の基本】
あなたも笑顔が似合う、美しい肌へ
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(その1)肌の基礎知識|すこやかな肌の5大条件と3大お悩み要素
(その4)肌のバリア機能を高める|保湿のポイント(←今回はコレ!)
(その5)肌を守る|保護のポイント
(その6)紫外線対策|日焼け止めの選び方のポイント
(その7)春・夏・秋・冬|(季節別) 肌ケアのポイント