そんなことはありませんか?
それ、もしかしたら...
あなたの身体の【陰】と【陽】の“バランス”が崩れているのかもしれません!
この投稿では【隠虚・陽虚】について、わかりやすくまとめてみました。
(*[基礎編]第三章:陰陽論を先に読んでおくと、さらに理解が深まります!)
陰陽論とは?
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この投稿を読むメリット
- 「かんたんチェック」で、自分が陰虚・陽虚であるかがわかる!
- 陰虚・陽虚の予防・対策が立てられる!
- 陰虚・陽虚の時にどういう食材を選べば良いのかがわかる!
【陰虚】身体が“カラカラ”|虚熱
【陰虚】身体に潤いをもたらす【陰】が不足している状態
身体の潤いは【陰】に属する〔血〕・〔津液〕によりもたらされます。
東洋医学における〔血〕と〔津液〕とは?
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【陰】が不足すると、身体の水分が足りないため、“カラカラ”な渇いた状態となります。
【陰虚】は寝汗をよくかき、喉や口、目、肌が乾きやすく、血液がドロドロなのが特徴です。
また、【陰】が弱くなると、相対的に【陽】が強くなります。
身体に熱が生じるため、身体が渇き、水分バランスが崩れます。
これを【虚熱】といいます。
【隠虚(虚熱)】が長期化すると、【陽】も消耗され続けてしまい、虚弱が進行します。
その結果、【陰】の回復がさらに難しくなるため、早めの対処が重要です。
特に、不摂生、脱水や出血、慢性的な睡眠不足、ストレスによる心労、性行為のしすぎは【陰】を消耗します。
さらに、【陰】は加齢により減少し、不足しがちになるため、特に更年期を境に、【陰虚】の症状がよく見られるようになります。
ホルモンバランスは乱れがち、便秘で肌荒れしやすく、カサカサと肌の乾燥も目立つようになります。
「美と健康」のためにも、【陰虚】は改善すべき体質です。
主な症状
口渇・乾燥肌・尿量減少・便秘・ほてり・のぼせ
かんたんチェック
体型は痩せ型である
「痩せすぎ」、「細い」と周りからよく言われる
のどが渇きやすく、水分を摂ってもすぐ欲しくなる(特に夜)
肌がカサついて、潤いやなめらかさを感じない
お風呂に入ると、のぼせやすい
手足がよくほてる
尿量が少なくて、色が濃い
便秘をしやすく、コロコロ便(ウサギのような便)である
前よりも目が疲れやすいと感じる
めまいをよくする
風邪により熱が出ると、長引きやすい
- 年齢の割に抜け毛が多く、白髪も目立つ
よく眠れた感がなく、スッキリと目覚められない
寝汗をよくかいて、夜中に目覚めやすい(中途覚醒)
不安で焦りがち、せっかちである
ネガティブ思考だ
人よりも早口でしゃべる傾向がある
秋口になると肌が乾燥しやすく、咳が出やすい
薄着を好み、周囲に「寒くない?」と聞かれることが多い
暑さが苦手、夏よりも冬が好き
【当てはまった数が1〜4個で可能性:小】まだそこまで自覚はないものの、まずはご自身の生活習慣を見直してみましょう!
【当てはまった数が5〜8個で可能性:中】要注意です。このまま放っておくのは危険です。できることから一つずつ、生活習慣を改善していきましょう!
【当てはまった数が9個で可能性:大】ここまでになると、毎日シンドいはず。養生法・食養生をきっちりとやりましょう!
養生法
「何事もほどほどに」が大事!
負荷の強い運動・トレーニングやお酒の飲みすぎ、オーバーワーク、性行為のしすぎは【陰】をさらに消耗してしまいます。
“ほどほどに”...と、心地よさを感じられるくらいを目安にしましょう。
【陰】は夜・寝ている時に作られます。
夜ふかしせずに、早めの就寝で心地よい睡眠をとり、早起きを心がけると良いです。
また、このタイプはネガティブ思考な人が多いです。
悲観的になったり、気持ちが沈むと、より深みにはまりやすくなる傾向があります。
気持ちを前向き、ポジティブに考えたり、見方を変えたりと、リラックスして平常心を保つ。
「焦らず・ゆっくりと」、時間をかけてでも良いので、心地よい自分でいることを心がけ、穏やかな日々を過ごしましょう!
おすすめは、瞑想、深く呼吸することを意識する、早寝早起き、ウォーキング、テレビ体操です!
食養生
陰虚の食養生
- 【五性】平・涼・寒
- 【五味】甘・酸・鹹
- 【おすすめの食材(薬膳)】
ごま、あわ、豆腐、にんじん、トマト、きくらげ、白菜、れんこん、オクラ、アスパラガス、ほうれん草、山芋、梅、すいか、なし、りんご、バナナ、レモン、イカ、蟹、タコ、貝類、昆布、豚肉、卵白、はちみつ
薬膳における五性・五味とは?
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(おすすめ)身体に潤いを与える食材
【陰虚】の人は身体が“カラカラ”、水分が不足して潤い不足です。
【陰】を養う【涼性】と【寒性】の食材(例:野菜や果物)は、身体の水分バランスを調節して潤いを与るため、おすすめです。
注意すべきポイントとして、刺激が強いものをはじめ、身体の熱を上げるものや消化しにくいものは控えましょう。
【陰虚】の人は潤い不足により、消化管の粘膜も不足して、腸のバリア機能の低下(免疫力も低下)しています。
刺激が強かったり、熱を上げる食材は、渇きを余計に与えて、負担もかかってしまいます。
また、中国では『甘酸化陰』といって、【甘味】・【酸味】を合わせて摂ることで、「陰液」が補われるとされます。
「はちみつレモン」や「タコポン(タコとポン酢)」、「トマトとアスパラガスの冷製パスタ」などは良い組み合わせです。
【陽虚】ヒエヒエな体|腎陽虚
【陽虚】身体を温める【陽】が不足している状態
【陽虚】は【陽】が不足しているため、身体が十分に温まらず、冷えや寒気を感じやすいため、身体が“ヒエヒエ”です。
その結果、臓器の機能が低下し、身体が正常に働かなくなり、生命力が低下します。
【陽】に属する〔氣〕は、〈腎〉の【納氣作用】により「精氣(腎陽氣)」となって蓄えられます。
この蓄えた「精氣(腎陽氣)」が、冷えや寒気に呼応して、身体を温めるように働きます。
ただし、〈腎〉の機能が低下した状態では、十分な「精氣(腎陽氣)」が蓄えられず、からだ全体の【陽】が不足し、【陽虚】となります。
そのため、【陽虚】を【腎陽虚】ともいうことがあります。
東洋医学では〈腎〉は“生命力を蓄える臓腑”とされるくらい重要視されます。
〈腎〉の機能低下による【陽】の不足は、身体全体の「精氣」が不足してしまうため、身体全体の機能から気力、体力などを含め、生命力までもが低下してしまいます。
五臓六腑(腎・三焦)とは?
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また、【陽虚】は「陰液」の代謝も滞り、泌尿器系のトラブルやむくみ、便秘なども見られるようになります。
精力も減退し、性欲がわかないだけでなく、早期閉経や不妊にもつながりやすいため、妊娠を考えている方は要注意。
心と身体が元気で、生命力のある健康美であるために、【陽】を満たして、〈腎〉を正常に働かせることが重要です。
「美と健康」のためにも、【陽虚】は改善すべき体質です。
主な症状
重だるさ・腰の痛み・排尿トラブル・記憶力低下・白髪・脱毛・精力減退・不妊症・下肢の冷え
かんたんチェック
基礎体温が35℃台と低い
午前中は元気だが、午後になると体調が悪くなることが多い
寒さに弱く、クーラーが苦手
夏よりも冬に体調を崩しやすい
温かい食べ物や飲み物が好き
夜中に起きて、トイレ行くことが多い
日中、いつもトイレが近く、我慢するのもしんどい(頻尿傾向)
むくみやすく、足腰が重だるい
寝ても疲れが取れず、スッキリしない
何かをやる気が起きにくく、一歩目がかなり遅い
顔色が青白く、整った肌色をしていない
目に力がなく、まぶたが重くてむくんでいる
声にハリがない
抜け毛が多い
頭が重く、ボーッとすることが多い
下腹部が冷たく、軟便で下痢しやすい
性欲がわかない
【当てはまった数が1〜4個で可能性:小】まだそこまで自覚はないものの、まずはご自身の生活習慣を見直してみましょう!
【当てはまった数が5〜8個で可能性:中】要注意です。このまま放っておくのは危険です。できることから一つずつ、生活習慣を改善していきましょう!
【当てはまった数が9個で可能性:大】ここまでになると、毎日シンドいはず。養生法・食養生をきっちりとやりましょう!
養生法
いつもより少しだけ早起きをしてみて、朝散歩に出かけてみましょう!
【陽虚】の人におすすめなのが、『朝散歩』です。
散歩は人体のバイオリズムを高め、自分で身体の歪みを調整する機能が働きます。
太陽の光を浴びながら歩くことで、さらに「精氣(腎陽氣)」が高まり、血行も良くなります。
また、夏場は冷房・クーラー、冬場は外の寒さで、身体を冷やさないようにしましょう。
身体が冷えを感じないような服装や防寒するなどをすると良いです。
お風呂は10~15分くらいかけて、半身浴でもしながら徐々に温まることが大切です。
高温や長風呂は汗とともに、「精氣」が発散してしまい、さらに失われてしまいます。
身体が温まったら、布団やベッドでゆっくり休むと良いです。
食養生
陽虚の食養生
- 【五性】熱・温
- 【五味】甘・辛・鹹
- 【おすすめの食材(漢方・薬膳)】
シナモン、唐辛子、胡椒、よもぎ、しょうが、玉ねぎ、ニラ、にんにく、ネギ、らっきょう、サバ、鰻、エビ、牛肉、鶏肉、てんさい糖
薬膳における五性・五味とは?
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(おすすめ)身体を温める食材
【陽虚】の人は身体が“ヒエヒエ”で、身体を温める力が弱まっています。
【熱性】・【温性】の食べ物で身体を温めましょう。
【甘味】と【辛味】で〈脾(胃)〉と〈肺(大腸)〉の働きを良くして、〔氣〕を作って身体の巡りと消化を良くするのも良いです。
ただし、胃腸を冷やすような、生ものや冷たいものは控えてください。
また、〈腎(膀胱)〉を養う【鹹味】の食材もおすすめです。
利尿作用があり、カリウム(K)を多く含む食べ物は、腎に負担をかけるので、食べ過ぎは注意。
特に、ダイエット目的でプロテインを飲まれる人も多いですが、タンパク質は〈腎(膀胱)〉への負担も大きいため、“ほどほどに”(食事で摂る分は大丈夫です)。
【まとめ】陰陽調和で健康美
【陰虚】
身体に潤いをもたらす【陰】が不足している状態
[養生法]
「何事もほどほどに」が大事!
[食養生]
身体に潤いを与える食材
【陽虚】
身体を温める【陽】が不足している状態
[養生法]
いつもより少しだけ早起きをしてみて、朝散歩に出かけてみましょう!
[食養生]
(おすすめ)身体を温める食材
人体は【陰】(〔氣〕)と【陽】(〔血〕・〔津液〕)からなり、バランスをとって、心身を整えています。
どちらかに偏ることもなく、多すぎても・少なすぎてもダメです。
「不足は補い、過ぎるは抑える」
【陰】と【陽】がお互いに協力し合い、相対的にバランスのとれている状態である【陰陽調和】を理想です。
あなたの日頃の生活はいかがでしょうか?
自分自身の“バランス感覚”を大事にしていますか?
バランスを整えるには、生活習慣を良くすることがまず第一です。
ほんの少しの違和感から些細なことでも良いので、「崩れているな、偏っているな...」と違和感を感じたら、心と身体のバランスを整えた生活を心がけましょう!
読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学
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