こんなお悩みはありませんか?
体のかゆみや赤み、ジュクジュクとした湿疹は我慢するのもつらいです。
そんなあなたに“つらくて長引くかゆみを楽にする漢方薬”として『消風散』はいかがでしょうか?
消風散は風のように体を駆け抜けるかゆみを消し去る漢方薬です。
その得意な作用により、分泌物が多くて、かゆみの強い慢性の皮膚疾患に使用されます。
消風散は漢方の古典である「外科正宗(げかせいそう)」にも記載されていて、古くから使われてきました。
慢性的な皮膚疾患で、「美」にお悩みの方にも、消風散の使用を検討する価値はあります。
今回は【漢方のチカラ】として『消風散』についてわかりやすく解説します。
この投稿を読むメリット
- 消風散の特徴・使うメリットがわかります!
- 慢性湿疹・アトピー性皮膚炎の症状の改善に役立ちます!
- つらくて長引くかゆみを楽にします!
漢方データ
体質
中間・実
→普通体型〜ふくよかまたはガッチリ体型の人が目安!
適応証・腹証
【皮膚風湿熱証】
風邪・湿邪、熱邪の3種の外邪が経絡に入り、体を侵している状態です。
風のように症状が体を駆け巡り、患部に熱感と水分代謝異常をもたらします。
お腹の力、ハリ具合によらず、適用されます。
基本的には「肌も乾燥し、体の至る所でかゆみと赤み、ジュクジュクした湿疹(水疱)があり、症状がつらくて長引いている人」に適しています。
適応する疾患・症状
【皮膚】慢性湿疹、アトピー性皮膚炎
構成生薬とその作用
【祛風作用】防風、荊芥、蝉退、牛蒡子
【清熱作用】石膏、知母、苦参
【利湿作用】蒼朮、木通
【養血・潤燥作用】当帰、胡麻、地黄
【調和諸薬作用】甘草
消風散は13種類の生薬を配合し、その作用を組み合わせて効果を発揮します。
【祛風作用】により、体の至る所を駆け巡るかゆみを取り除きます。
また、体の余剰な熱を冷ます【清熱作用】、過剰な湿(水分)を取り除く【利湿作用】により、患部の炎症及び湿疹(水疱)を改善します。
【養血作用】と【潤操作用】により、患部に栄養を与えて、乾燥部位を潤し、肌のカサつきを改善します。
消風散はつらくて長引くかゆみなどの慢性的な肺疾患を楽にしてくれます。
消風散は胃腸が弱い人には負担がかかることもあるため、特に体力が落ちている人は使用は控えてください。
美と漢方
長引いてつらい肌疾患を緩和する消風散は適正使用することで効果が期待できます。
ここでは、“美と漢方”という視点から、消風散による活用・ケアについてお話いたします。
抗ヒスタミン作用
消風散は主にアトピー性皮膚炎や慢性湿疹などの「慢性的な皮膚疾患」に用いられます。
慢性湿疹は様々なアレルギー誘発因子でできた皮膚の炎症(急性湿疹)を掻き続けた結果、病変部分の皮膚が「厚くて硬く、深いシワが入った状態」になります。
また、慢性湿疹では急性湿疹よりも炎症が強いため、なかなか治りも悪く、治療の経過が長いのも特徴です。
このような症状を引き起こす原因物質として「ヒスタミン」が知られています。
ヒスタミンは免疫細胞から放出されると、かゆみが引き起こされます。
これを抑えることを目的で「抗ヒスタミン作用」が有する「抗アレルギー剤(例:アレグラ[フェキソフェナジン塩酸塩]、アレジオン[エピナスチン塩酸塩])」があります。
消風散にもこの「抗ヒスタミン作用」があることが臨床試験で確認されています。
また、患部の浮腫を抑制する作用(抗アレルギー作用)も認められています。
消風散にヒスタミンを抑えることで、アレルギー性の皮膚疾患の症状が緩和されます。
適正使用
消風散を服用する際に注意していただきたいのは、「服用してもすぐに症状が良くならない」ということです。
肌の新陳代謝・ターンオーバーは、顔は約1ヶ月、体は約2ヶ月かかりますので、最低2ヶ月は継続服用していただきたいです。
また、消風散を飲んでも「急なかゆみでつらくなる時」もあります。
そのような時は、抗アレルギー剤を併用して服用する、外用ステロイド剤を患部に塗布する、皮膚科などの専門医を受診するようにしてください。
我慢しすぎるのも良くなく、また、良くなったと思って、中途半端に治療をやめてしまうと、逆に症状が長引いてしまうこともあります。
「かゆいからかく」はご法度です。
肌を綺麗にするためにも、時には“根気”が必要です。
外からの保湿・ステロイドケア
慢性的な皮膚疾患を持つ人は肌の水分量が少なく、乾燥肌になっている人も多いです。
消風散には体液成分を調整して、潤いが少ないところは補う【潤操作用】があります。
ただ、消風散による「内からのアプローチ」も良いですが、乾燥した部分には『保湿剤』でスキンケアをすると良いです。
ヒルドイド(ヘパリン類似物質)やプロペト、白色ワセリンなどのお薬に頼るのも一考です。
体の中と外、両方からのアプローチで肌のカサつきを改善していきましょう。
また、ステロイド外用剤を上手に用いて、びらんなどを来さないようにすることも大事です。
ステロイドの使用を懸念される方もいらっしゃいますが、適正に使用すれば問題ありません。
炎症が強い部分には、ステロイドを塗布してつらい症状をコントロールしましょう。
【まとめ】長引くつらいかゆみを楽に
消風散は風のように体を駆け抜けるかゆみを消し去る漢方薬です。
基本的には「肌も乾燥し、体の至る所でかゆみと赤み、ジュクジュクした湿疹(水疱)があり、症状がつらくて長引いている人」に適しています。
肌の状態が悪いとQOLに大きな影響を与えます。
体のかゆみや赤み、ジュクジュクとした湿疹は我慢するのもつらいです。
また、つらいかゆみが長引くと、気力・体力も奪われてしまい、自然と笑顔になれる機会も減ってしまいます。
適切なスキンケアをすることは大切ですが、時には薬に頼ることも大切です。
慢性的な皮膚疾患でお悩みの人は、消風散の服用を検討してみてはいかがでしょうか?