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[基礎編]第六章:証(虚実・寒熱・表裏)

美容薬剤師 佑:Task

美をインスパイアする美容薬剤師|(一社)美容薬剤師協会 所属|認定ONP11期|『美のあり方(美しく生きる)』をテーマに発信|【目指せ、『ノーファンデ 輝く素肌』】30代からのおうち美容アイテム:Dr.Pharmacyを販売中!

読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学基礎編]第六章:証(虚実・寒熱・表裏)』について、わかりやすくお話いたします。

前回、東洋医学の基本的な要素である・〔津液について理解を深めていきました。

【★復習】[基礎編]第五章
血・津液とは?

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東洋医学では「各個人の体質を見極め、それに合わせた療法を行えば、効果が高まる」と考えられています。

体質が分かれば、「一人ひとりに適したもの (心と体に合ったもの)」を選べるようになります。

今回は東洋医学における治療の指標証(虚実・寒熱・表裏)について理解を深めていきましょう!

コーヒーブレイクで‘ほっ’とひと息つきながら、気持ちを楽にしてお読みください!
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『証』とは治療の指標

まずは『』について、お話していきます。

この人は比較的体力が低下した人で、あの人は比較的体力があって...

このような表現を見聞きしたことはありませんか?

これが東洋医学でいう『』であり、“治療の指標”として定められています。

東洋医学では問診により“今の状態”を理解する際、『弁証(証を立てること)』を重要視します。

そのための“8つの指標(八綱弁証)”があり、【陰陽を中心として、虚実】・【寒熱】・【表裏の証を立てていきます。

』を分かりやすく言うと...

各個人の「体質」・「見た目」・「起きている病態」などの特徴を総合的に捉えたもの。

一見、身体のどこかに現れた病気で、症状が同じであっても、そこだけが原因とは判断しません。

各個人のからだ全体のバランスや歪み、他の臓器(五臓六腑)が連鎖・連動して問題が生じていると考えます。

そのため、対象者の『』を全体像で捉え、その人に適したアプローチを行います。

例えば、『』を立てる指標の虚実は「」の状態を『虚証』、「」の状態を『実証』とします。

また、その中間にあたる『中間証』があります。

虚証

虚証正氣(しょうき)」が不足して、体力・気力などの“生命力”を消耗した状態です。

正氣」とは、いわゆるのことで、天の氣地の氣から成り立ちます。

呼吸により酸素を取り入れて『』で作られる天の氣食事により栄養を摂り入れて『』で作られる地の氣

この両方のを吸収することで、人は生きています。

【★復習】[基礎編]第四章
氣とは?

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正氣」は生きる氣力(生命活動を担うエネルギー)”として、・〔津液を体に巡らせる原動力になります。

ただ、臓器の機能低下や栄養失調、食生活の乱れ、精気の不足、ストレス、過労、久病により、正氣」は消耗・不足します。

つまり、『虚証』とは、気力・体力、いわゆる、“生命力”を消耗しており、が不足した状態です。

ここで注意しておきたいのは、単に「見た目」だけで、『虚証』と判断しないことです。

例えば...

「体がやせ細っている人」でも、“元気”であるならば『虚証』ではありません。

また、比較的体力がありそうな相撲取りやレスラーなどの体格がしっかりしている人(『実証と思われやすい人)がいます。

このような人でも、気力がなくて落ち込みやすい、胃腸が弱くて疲れやすい、めまいやふらつきが多いなど。

が不足して消耗した状態が見られるのであれば、『虚証』に陥っていると考えます。

痩せていて、抵抗力が弱そうな人」が『虚証』で多いのは、全体的な傾向であることは間違っていません。

ただ、それだけで判断せず、全体の“バランス”を通じて、総合的に捉えることが大切です。

久病とは?

久病』とは慢性的な病気を患い、久しく治らない病のことです。長患いにより、「氣」を消耗してしまい、『虚証』へと至ります。

【かんたんチェック】虚証の特徴

虚証』の特徴は次のとおりです。

(*よかったら、ご自身でもチェックしてみてください。)

  • 元気が出ない

  • 体がだるい

  • 疲れやすい

  • めまいやふらつきが多い

  • 食が細い

  • 胃腸が弱い

  • 風邪を引きやすい

  • 冷え性である

  • 落ち込みやすい

  • 不安な気持ちになりやすい

  • 集中力が低下している

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実証

実証身体が“”に侵された状態です。

実証』の「」は、邪(邪気)」を表します。

」は“体に余分なもの(例:脂肪や肥満)、悪いもの(例:ウイルス)”とイメージしてください。

私たちの身体には、「恒常性(ホメオスタシス)」を保つ力が働いて、どちらかに偏りが出たら、バランスを取るようにできています。

これが生命力・免疫力でもあります。

ただ、身体の許容範囲を超えてしまうと、「」として身体を侵してしまい、その結果、“”となって現れます。

実証』は「体力充実していて、抵抗力が強そうな人」に多いですが...。

虚証』と同様に、「見た目」で判断せず、総合的に捉えることが大切です。

外邪と内邪

」には「外邪」と「内邪」に分かれます。「外邪」は人間からすれば異物であり、外から内へと入ってきて、病を引き起こすものです。ウイルスや細菌などがわかりやすいかと思います。「内邪」は内にあって「正氣」を邪魔するものです。例えば、肥満や糖尿病、ホルモン分泌異常などです。

【かんたんチェック】実証の特徴

実証』の特徴は次のとおりです。

(*よかったら、ご自身でもチェックしてみてください。)

  • 感情の起伏が激しい

  • 怒りっぽい

  • のぼせやすい

  • 鼻血が出やすい

  • 便秘がち

  • 太り気味・ぽっちゃりである

  • 筋肉質である

  • つい食べ過ぎてしまう…

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寒熱と表裏

この内容は「証」についての理解を深めたい方が読むことをおすすめします!

東洋医学では、を立てるための“8つの指標(八綱弁証:【陰陽】・【虚実】・【寒熱】・【表裏】)”があります。

それらの指標の判断の際、基本的に【陰陽】・【虚実】を主にしてを立てることが多いです。

ただし、さらに『を見極める人は、【寒熱】【表裏】という観点を見ていきます。

』に対する理解を深めたい方は、【寒熱】【表裏】を見てみましょう!

寒熱

【寒熱】病のタイプを捉える」考え方。

」や「」の影響を受けていないか?

寒証』と『熱証』という観点で見極めます。

寒証

寒証体内に「」が入り込んで、不調が起きている状態

つまり、許容範囲を超えた「」が、身体に悪さをしているということです。

このような状態になる、悪寒頭痛発熱顔面の蒼白などが見られます。

身体の機能も低下しているため、免疫力が十分に働きません。

身体を温める処置を行うことが重要です。

熱証

熱証体内に「」が入り込んで、不調が起きている状態

体内のが過剰であるため、熱感だけでなく、身体に炎症が生じています。

このような状態では、顔色も赤く、のぼせており、目の充血や腫れ、口渇、脱水などが見られます。

身体にこもった余分な熱を冷まして、乾いた身体を潤す必要があります(清熱)。

漢方や薬膳などの「五性(五行に基づいた性質)を活用して、改善を図ると良いです。

(例:体が熱っぽかったら、体を冷やす「スイカ(五性:寒)」など。これについては、理論・応用編第十一章:薬膳・漢方にて詳しくお話いたします。)

先読みする?!
[理論・応用編]第十一章:薬膳・漢方

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表裏

【表裏】病の部位や進行の程度を捉える」考え方

病の部位」では、浅い(表)深い(裏)、「病の進行の程度」では、初期・急性(表)慢性(裏)を判断します。

東洋医学において、病は「」から始まって、次第に「」の方へと進むと考えます。

また、「半表半裏」といって、「」から「」に症状が進行する過程で、「」と「」の症状が交互に見られることもあります。

表証

表証病の初期急性症状が多く、症状が体表部に表れる。

頭痛や悪寒、風邪のひきはじめ、関節痛、肩こりや背中のハリ、湿疹などです。

裏証

裏証病が進行した慢性期で多く、症状も身体の深部・内臓全般などに表れる。

病が内臓に入り込んでいるため、腹痛や下痢、嘔吐などの消化器症状だけでなく、高血圧症や糖尿病なども該当します。

【まとめ】『証』を立てて、適するものを選択する

東洋医学】における治療の指標証(虚実・寒熱・表裏)について、お話いたしました。

各個人の「体質」・「見た目」・「起きている病態」などの特徴から『』を捉えることで、その人に適した療法やアドバイスを行うことができます。

ご自身の感覚でも良いので、試しにご家族やご友人などを観察してみてください。

100%”と見極めることは難しいかもしれませんが、次第に見る目が養われていきます。

』を立てて、適するものを選択していきましょう!

次回からは理論・応用編として、東洋医学において重要な説とされる『五行説について、お話させていただきます。

相手の『証』がわかると、その人に合わせたコミュニーケーションや気遣いができたりと、応用することもできるようになります!
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[理論・応用編]第七章
五行説とは?

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今回で読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学基礎編は終了です。

ここまでお疲れ様でした!

難しかったですか?(難しくて、理解ができなかったら、ごめんなさい。私の責任です。。。)

この内容を読んで、少しでもあなたの実生活で役に立てられたのであれば、幸いです。

東洋医学】の理解を深めることで【西洋医学】、さらには、『現代医療』の理解も深まるだけでなく、実生活における“モノの見方(自分の判断軸:モノサシ)”が磨かれる

...と私は確信しています。

ただ、

東洋医学をテーマにした内容は色濃くて深い分、一気に理解しようとすると、頭が混乱してしまいます。

本質はどこにあるのか、どのようなイメージ・言葉で捉えたら良いのか?

少しずつ頭の中で整理していき、確認をしながら理解を深めていきましょう!

次回からは理論・応用編となり、東洋医学への理解をさらに深めていきます。

東洋医学】をより身近に感じられるようになると思いますので、ぜひブックマークをしてお読みください!

お楽しみに!
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〜美からなるあなたへ〜
Beauty & Being & Best
美容薬剤師 佑:Task

【読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学】

まとめ
読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学

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基礎編

第一章:西洋医学とは?

第二章:東洋医学とは?

第三章:陰陽論

第四章:氣

第五章:血・津液

第六章:証(虚実・寒熱・表裏)(←今回はコレ!)

理論・応用編

第七章:五行論

第八章:五臓六腑(肝・心)

第九章:五臓六腑(脾・肺)

第十章:五臓六腑(腎・三焦)

第十一章:薬膳・漢方

番外編

第十二章:黄帝内経に基づく身体の変化

次回の内容はコチラ!
[理論・応用編]第七章:五行説とは?

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