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【抗酸化の万能戦士】TPNa|ビタミンサイエンス

美容薬剤師 佑:Task

美をインスパイアする美容薬剤師|(一社)美容薬剤師協会 所属|認定ONP11期|『美のあり方(美しく生きる)』をテーマに発信|【目指せ、『ノーファンデ 輝く素肌』】30代からのおうち美容アイテム:Dr.Pharmacyを販売中!

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こんにちは!美をインスパイアする美容薬剤師 佑:Taskです!

化粧品に配合されるビタミンEって、どう良いのかな?

こんな疑問はありませんか?

2004年、ビタミンEは「肌荒れ防止効果を持つ成分」として、厚労省に認可されました。

ビタミンEは抗酸化作用をはじめ、肌のバリア機能、血行促進作用、新陳代謝を促進があり、若返りのビタミン”・“老化抑制ビタミンとも呼ばれます。

また、肌への効果だけでなく、製品自体の劣化を防止する目的で、多くの化粧品に配合されています。

でも、正直なところ...

ビタミンEって、何が良いの?」

って思いませんか?(皆さん、ビタミンAビタミンCに目が向いてしまいますからね。)

しかし、ビタミンEビタミンAビタミンCと並んで、「ビタミンエース(ACE)」とも呼ばれ、とても注目されています。

そして、「脂溶性(油溶性)」のビタミンEに「水溶性」の機能を持たせた『TPNa』というものがあるのをご存知でしょうか?

そこで今回、【美容成分解析】として『TPNaについて、わかりやすく解説いたします。

この投稿を読むメリット

  • 『TPNa』とは何かがわかる!
  • 【ビタミンE】がどう肌に良いのかがわかる!
  • 【ビタミンE】と【ビタミンC】との関係性がわかる!
  • 今、注目されている「ビタミンエース」とは何かがわかる!
ビタミンEは抗酸化作用により、私たちの肌だけでなく、化粧品の成分の劣化まで防いでくれます!
佑:Task
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TPNaとは?

TPNa(トコフェリルリン酸Na)』は「両親媒性ビタミンE誘導体」です。

ビタミンE(トコフェロール)は化学的に不安定で、空気、光、紫外線により酸化を受けやすいです。

また、「脂溶性(油溶性)」のため、化粧水などの「水溶性」の基剤に適用できないという、そのまま化粧品の成分に配合するのにもデメリットがありました。

それを改善したのが、『TPNa』です。

水溶性」と「脂溶性(油溶性)」の両方の特性を併せ持つため、安定型ビタミンE誘導体とも呼ばれ、とても注目されている美容成分です。

「誘導体」とは?

誘導体とは、元の成分の一部を変化させたり、違う成分を繋げたりして、新たに機能性や溶解性、安定性を付与した成分のことです。

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ビタミンEの働き

ビタミンEは「肌荒れ防止効果を持つ成分」として認められていて、TPNaも同等であるとされています参考資料

ビタミンE主な働きは次の5つになります参考サイト

【ビタミンE】の主な働き4選

  • 抗酸化作用
  • 保湿・バリア機能
  • 血行促進作用
  • 肌の新陳代謝を促進
  • 抗菌作用
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抗酸化作用

ビタミンEには抗酸化作用があります。

表皮の細胞膜にある脂質(皮脂・コレステロールなど)は、紫外線によって産生される活性酸素と反応すると、「過酸化脂質」となります。

この「過酸化脂質」は、肌に炎症や色素沈着、ニキビなどを起こします参考文献

ビタミンEは細胞膜など油分があるところで抗酸化作用を発揮。

活性酸素を捕捉することで、加齢に伴う「S:シミ」・「S:シワ」・「T:たるみ」の『肌の3大お悩み要素】S・S・T』への効果が期待されます。

また、抗酸化作用があるビタミンEは、同じく抗酸化作用があるビタミンCとともに相乗効果を発揮します。

(*後ほど、ビタミンEの抗酸化作用について、さらに補足します。)

「活性酸素」とは?

活性酸素」とは、通常の酸素に比べて、他の物質と反応しやすく、酸化の活性度が高い物質です。活性酸素は電子の数が足りず、非常に不安定な状態であるため、近くにある細胞から電子を奪おうとします。活性酸素によって電子を奪われた細胞もまた不安定な状態になり、連鎖反応的に細胞が傷みます。この酸化の連鎖反応を『フリーラジカル反応』といいます。

 

保湿・バリア機能

ビタミンEは皮脂膜を安定させ、肌を保湿・バリア機能を高めます。

皮脂膜はバリア因子の1つであり、安定した皮脂は“天然のクリーム”となって、肌に適度な潤いをもたらす保湿機能や外的因子(紫外線や細菌など)から肌を守っています。

また、ビタミンEは主に細胞膜のリン脂質二重層内に含まれていて、生体膜を構成する不飽和脂肪酸や他の脂溶性成分を活性酸素から守っています。

血行促進作用

ビタミンEは末梢血管の血行促進作用があります。

「末梢血管」とは肌や筋肉へ行く血管のことで、血流が悪くなると、痛みやしびれなどの「末梢循環不全・末梢血行障害」となります。

肌へ血が行き渡らないと、血色が悪くなるだけでなく、肌に十分な酸素や栄養が届きません。

ビタミンEは健康的な肌になるためにも必要です。

肌の新陳代謝を促進

ビタミンEの血行促進作用により、肌に十分な酸素や栄養素が細胞へ行き渡ることで、新陳代謝が促進されます。

新陳代謝が促進されると、ターンオーバーが整って、古い角質が排出されるため、シミやそばかすを抑制。

また、肌理が整い、肌もなめらかになります。

抗菌作用(*TPNaのみ)

ビタミンEは抗菌作用があり、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑えます。

私たちの肌には目に見えない1,000種を超える微生物が生息していて、安定した叢(フローラ)を形成しています。

これらは「肌の常在細菌叢」として、私たちの肌の健康に貢献しています参考文献

アクネ菌は肌を「弱酸性(pH:4.5〜6.0)」を維持するためにも大切な常在細菌です。

しかし、過剰に増殖すると、毛穴の炎症からニキビの発生・悪化の原因となります。

また、ビタミンEはアクネ菌に対して選択的な抗菌性を示し、肌の常在菌であるグラム陽性球菌や真菌に対して抗菌性を示しません。

(*ちなみに、この作用はTPNa』以外のビタミンE類が抗菌性を示さなかったことから、トコフェリルリン酸Naの抗菌性はビタミンEとしての効果ではないと考えられます参考サイト。)

肌はなぜ「弱酸性」?

毛穴や皮脂腺に存在するアクネ菌は皮脂分解酵素であるリパーゼを産生・分泌し、皮脂の構成成分であるトリグリセリドを「弱酸性」の脂肪酸とグリセリンに分解します。これにより肌を「弱酸性」に保ち、黄色ブドウ球菌など病原性の強い細菌の増殖を抑制する役割を担っています参考文献

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ビタミンE+ビタミンC

ビタミンEビタミンCはともに抗酸化作用が高く、組み合わせることで相乗効果が期待できます参考文献

脂溶性(油溶性)」のビタミンEは細胞膜など油分があるところ、「水溶性」のビタミンCは主に水分があるところで抗酸化作用が発揮されます。

ビタミンE活性酸素を処理した後、余分な電子を持った状態(酸化型ビタミンE)となります。

そこで、酸化型ビタミンEは、ビタミンCにその電子を渡して、活性型還元型ビタミンEへ再生します。

逆にビタミンCも、酸化型ビタミンEにより電子を受け取った酸化型ビタミンCは、抗酸化作用を発揮する活性型還元型ビタミンCへと再生します。

肌に関連する抗酸化物質は相互協力しあう関係なので、セットであることが大事です。

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ビタミンエース

ビタミンエース(ACE)」とは、ビタミンA】・ビタミンC】・【ビタミンEの抗酸化作用がある3つのビタミンからなる総称です。

この3つのビタミンは、互いの効果を高め合うため、エイジングケア最強チームとも呼ばれます。

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TPNaの特徴

TPNa(トコフェリルリン酸Na)』は「脂溶性(油溶性)」のビタミンEに、リン酸基を導入することで「水溶性」を獲得した「両親媒性ビタミンE誘導体」です。

TPNa』は肌にとてもなじみやすく、角質層のすみずみまで、素早く浸透します。

表皮にある脱リン酸化酵素により、ビタミンEに変換されると、その効果を発揮。

脂質の過酸化や肌の炎症、細胞中のDNAの損傷を『TPNa』が抑制することで、肌トラブルを改善します。

また、肌への吸収性においては、「酢酸トコフェロール」と同等量が確認されていることから、表皮から真皮にかけて浸透すると考えられます参考資料

化粧品中の成分の劣化を保護し、さらにはビタミンA】・ビタミンCとの相互作用により、抗酸化作用を高めます。

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【まとめ】

TPNaは「水溶性」と「脂溶性(油溶性)」の両方の特性を併せ持つ「両親媒性ビタミンE誘導体」で、安定型ビタミンE誘導体とも呼ばれ、注目されている美容成分です。

化学的に不安定な「脂溶性(油溶性)」のビタミンEに「水溶性」を付与することで安定。

肌内で代謝活性化することで、ビタミンEとして肌トラブルを改善します。

また、化粧品中の成分の劣化を保護するため、『TPNa』は化粧品成分と私たちの肌のどちらも酸化を防止する、抗酸化の万能戦士でもあります。

さらに、ビタミンEビタミンA】・ビタミンCともに「ビタミンエース(ACE)」として、互いの効果を高め合う相乗効果が期待でき、抗酸化作用を高めます。

化粧品の成分はうまく組み合わせることが大事です。

食事やサプリメントからの「インナーケア」とともに、化粧品を成分を知って、上手に使いこなす「アウターケア」をして、すこやかな肌・美しい肌を目指しましょう!

あなた本来の美と魅力が発揮されることを願っています!
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