【読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学】の[基礎編]第五章:血・津液について、わかりやすくお話いたします。
前回、東洋医学の基本的な要素である〔氣〕ついて理解を深めていきました。
氣とは?
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〔血〕・〔津液〕は“目に見えるもの”
これらは、私たちの身体を流れる「血液」と「水分」のことですが...。
東洋医学ではこれらが身体の構成要素として、正常に巡ることで健康を維持していると考えられています。
今回は〔血〕・〔津液〕について理解を深めていきましょう!
〔血(けつ)〕とは?
〔血 (けつ)〕身体に栄養を運んだり、毒素や老廃物を回収して、身体の正常な活動を支える
〔血〕は「血液」のことで【陰】に属します。
“血液”と言うと...。
【西洋医学】では血液検査で各成分の数値を測り、「正常値(基準値)の範囲内にあるのか」を統計的なデータに基づいて、各臓器・組織の状態を判断します。
一方で、【東洋医学】では身体の栄養状態を反映します。
〔血〕は全身を巡って、身体に栄養(酸素や栄養素など)を補給したり、老廃物を回収することで、身体の正常な活動をサポートします。
また、身体を潤したり、温めることで、体温を調整します。
〔血〕が滞ることなく、正常に身体の隅々にまで巡ることは、心身の健康に欠かせません。
〔血〕は不足すると【血虚】。
身体が栄養不足|血虚
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〔血〕の巡りが悪い【瘀血(血瘀)】があります。
私の血が汚れている?!|瘀血
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身体全体が栄養不足になり、毒素や老廃物などの汚れも溜まってしまい、失調を来します。
食事の乱れや考えすぎ、身体の動かし過ぎは、特に〔血〕を汚します。
しかし、睡眠をすることで浄化されるので、しっかりと寝ることが大切です。
〔津液(しんえき)〕とは?
〔津液(しんえき)〕全身へと巡り、身体の水分バランスを補って潤し、関節の動きをなめらかにしたり、体温調節を担う
〔津液〕血液以外の分泌液・体液のことで【陰】に属します。
〔津液〕の由来は「津:サラサラな液体」+「液:トロッとした液体」となります。
私たちとしては〔水(すい)〕と呼ぶ方が馴染み深いかもしれません。
〔津液〕の通り道を〈三焦〉と呼び、水路を調整する役割を果たします。
身体の水分バランスの調節から体温の維持や関節のなめらかな動きなどをサポートします。
また、リンパ液や消化液、細胞間液なども〔津液〕です。
免疫力や消化、細胞の正常な働きにも関与しています。
人の体の約60%が水分であることからも、その重要性は明らかです。
〔津液〕の流れが滞ると【水毒(水滞)】、さらに長期化して慢性となった【痰飲(食滞食積)】があります。
溜め込みすぎて、体がポヨポヨ・ボヨボヨ?|水毒(水滞)・痰飲
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【水毒(水滞)】・【痰飲(食滞食積)】は水分や老廃物などを抱え込みすぎてしまい、身体に大きな負担となって、“病”として現れます。
顔を見ればわかる?
「顔にどのような症状がみられるか」で、身体の状態がわかる。
例えば、鼻水は〈肺〉と〈腎〉の水分調整が上手くいっていません。
皮膚や口喉、目の乾燥、唇のカサつきは〔津液〕が不足した状態です。
むくみや頭(体)が重だるい、口に物を入れたくない(食欲が起きない)、口がネバネバするなど。
〔津液〕が停滞した状態です(【湿邪】ともいいます)。
「津液」によるむくみ
【まとめ】〔氣〕・〔血〕・〔津液〕でバランスをとる
〔血(けつ)〕
身体に栄養を運んだり、毒素や老廃物を回収して、身体の正常な活動を支える
〔津液(しんえき)〕
全身へと巡り、身体の水分バランスを補って潤し、関節の動きをなめらかにしたり、体温調節を担う
人の身体は〔氣〕・〔血〕・〔津液〕の3つの要素で構成され、生命活動を維持する上で最も重要です。
「〔氣〕・〔血〕・〔津液〕が“バランス”をとることで、心と身体を安定する。」
“すべてはつながっている”と、単独で考えるのではなく、全体像・包括的に捉えることが、大きなポイントです。
具体的な症状から「どこが悪いのか?」が推測して、それに適した療法をすると良いです。
〔血〕・〔津液〕は【西洋医学】の観点からもイメージしやすいです。
心身が健全・最適であるために、心身の“バランス”を整えていきましょう!
次回は[基礎編]第六章:『証(虚実・寒熱・表裏)』について、お話いたします。
証(虚実・寒熱・表裏)とは?
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今回はここまで!
【東洋医学】をテーマにした内容は色濃くて深い分、一気に理解しようとすると、頭が混乱してしまいます。
「本質はどこにあるのか、どのようなイメージ・言葉で捉えたら良いのか?」
少しずつ頭の中で整理していき、確認をしながら理解を深めていきましょう!
〜美からなるあなたへ〜
Beauty & Being & Best
美容薬剤師 佑:Task
【読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学】
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[基礎編]
第五章:血・津液(←今回はコレ!)
第六章:証(虚実・寒熱・表裏)
[理論・応用編]
第七章:五行論
第八章:五臓六腑(肝・心)
第九章:五臓六腑(脾・肺)
第十章:五臓六腑(腎・三焦)
第十一章:薬膳・漢方
[番外編]
第十二章:黄帝内経に基づく身体の変化
[基礎編]第六章:証(虚実・寒熱・表裏)
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