【読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学】の[基礎編]第三章:【陰陽論】について、わかりやすくお話いたします。
前回、答えが「内(その人にある)」にある【東洋医学】について理解を深めていきました。
東洋医学とは?
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今回からは【東洋医学】について、さらに理解を深めていきましょう!
[基礎編]第二章:【東洋医学】で「基本は【陰陽】を中心として、証を立てていきます(八網弁証)」とお話いたしました。
【陰陽】という言葉自体...
「それって実際どういうこと?」
...と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
東洋医学では〔氣〕という“目に見えないもの”と、〔血〕・〔津液〕という“目に見えるもの”を扱います。
ただ、〔血〕・〔津液〕はもとより、〔氣〕という概念は実感も湧きにくいため、“イメージしやすいもの”を先人たちは考えました。
そのイメージしやすいものを【陰】・【陽】で論じるのが、【陰陽論】です。
今回は【陰陽論】について、一つずつ理解を深めていきましょう!
陰と陽
東洋医学では“バランス”が重要視され、それを【陰陽論】という概念で捉えます。
絵画的な表現では「黒と白の勾玉」となります[写真参照]。
この世の自然界(森羅万象)は、2つの性質・側面、【陰】と【陽】で構成されている
...という、中国の易学に基づいた考え方から来ています。
陰陽とは、もともと「月と太陽」のこと。
「昼があれば、夜もある。夏が来れば、冬も来る。表があれば、裏もある...。」
このように、相反する二面性の関係を指します。
陰陽の例は次のとおりです。
陰陽の例
- 月と太陽
- 夜と昼
- 雨と晴れ
- 寒と暑
- 女と男
- 冷たいもの(身体を冷やすもの)と温かいもの(身体を温めるもの)
陰陽は何を基準にするかを決めた上で比較します。
ポイントは...
基準は“自分”で決められる
“自分の判断軸:モノサシ”で、基準を決められるため、何が【陰】で、何が【陽】なのか。
【陰】と【陽】を比較することができます。
また、「“強い性質(余剰)”は“弱い性質(不足)”に影響を与える」という点も押さえておいてください。
陰
【陰】は物質的な意味合いを持ち、身体自体やその滋養成分を意味する言葉です。
『氣血津液弁証』において...
【陰】全身の栄養として“目に見えるもの”である『血』・『津液』に該当する
体内において、【陰】は身体にこもった余分な熱を冷まし、乾いた身体を潤します(清熱)。
不足すると、身体が熱く火照ったり、喉が渇く、皮膚が乾燥してカサつく、イライラするなどの原因となります。
【陰】の不足・消耗が続いて、不調がみられた状態を【陰虚】といいます。
身体がカラカラ|陰虚
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また、【陰】の中にも【陽】があって、【陰】を留めています(イメージ:黒い勾玉の白丸)。
これを「陰中の陽」といいます。
陽
【陽】は機能的な意味合いを持ち、臓器の働きや動く能力などを意味する言葉です。
『氣血津液弁証』において...
【陽】“目に見えないもの”である〔氣〕に該当する。
体内において、【陽】は熱で冷えた身体を温め、臓器の機能や働きを良くします。
また、新たな【陽】を生み出して、エネルギッシュでいるための原動力(生命力)となります。
不足すると、冷えや気力・体力の減退、内臓の機能低下などの原因となります。
【陽】が不足・消耗が続いて、不調がみられた状態を【陽虚】といいます。
身体がヒエヒエ|陽虚
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【陽】の中にも「陰」があって、【陽】を留めています(イメージ:白い勾玉の黒丸)。
これを“陽中の陰”といいます。
【まとめ】『陰陽調和』が理想
(『氣血津液弁証』より...)
【陰】
全身の栄養として“目に見えるもの”である〔血〕・〔津液〕に該当する
【陽】
“目に見えないもの”である〔氣〕に該当する。
陰陽はどちらかに偏ったり、多すぎても・少なすぎでもダメです。
(*一方だけが極端になり、陰陽を結ぶ力がなくなると、「死」に至るとされます。)
「不足は補い、過ぎるは抑える」。
【陰】と【陽】がお互いに協力し合い、相対的にバランスのとれている状態である【陰陽調和】を理想とします。
「食べ過ぎは体に良くないけど、食べないのも良くない。」
...というイメージがわかりやすいかと思います。
陰陽のバランスが崩れても、自ら回復する(バランスを整えられる)ことができれば、健康であるとされます。
ただ、それができなければ、「未病(発病する前の体調不良などの状態)」になり、進めば「病気」になります。
バランスを整えるには、生活習慣を良くすることがまず第一です。
これが東洋医学における【陰陽論】です。
次回は[基礎編]第四章:氣について、お話いたします。
氣とは?
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今回はここまで!
【東洋医学】をテーマにした内容は色濃くて深い分、一気に理解しようとすると、頭が混乱してしまいます。
「本質はどこにあるのか、どのようなイメージ・言葉で捉えたら良いのか?」
少しずつ頭の中で整理していき、確認をしながら理解を深めていきましょう!
〜美からなるあなたへ〜
Beauty & Being & Best
美容薬剤師 佑:Task
【読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学】
読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学
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[基礎編]
第三章:陰陽論(←今回はコレ!)
第四章:氣
第五章:血・津液
第六章:証(虚実・寒熱・表裏)
[理論・応用編]
第七章:五行論
第八章:五臓六腑(肝・心)
第九章:五臓六腑(脾・肺)
第十章:五臓六腑(腎・三焦)
第十一章:薬膳・漢方
[番外編]
第十二章:黄帝内経に基づく身体の変化
[基礎編]第四章:氣
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