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[基礎編]第二章:東洋医学とは?

読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学基礎編第二章:【東洋医学について、わかりやすくお話いたします。

前回、答えが「外(データやエビデンスなど)」にある【西洋医学について理解を深めていきました。

【★復習】[基礎編]第一章:
西洋医学とは?

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今回は答えが「内(その人にある)」にある【東洋医学

東洋医学】の理解を深めることで『西洋医学』、さらには、『現代医療』に対する理解も深まるだけでなく、実生活における“モノの見方(自分の判断軸:モノサシ)”が磨かれる。

...と私は確信しています。

本質はどこにあるのか、どのようなイメージ・言葉で捉えたら良いのか?

東洋医学について、一つずつ理解を深めていきましょう!

コーヒーブレイクで‘ほっ’とひと息つきながら、気持ちを楽にしてお読みください!
佑:Task

東洋医学の本質

長い歴史を持つ中国の伝統医学をベースに発展してきた東洋医学

自然とともに生きることが健康につながる。

人間が本来持っている生命力・免疫力(身体が自分で答えを見つけ出して、自然と治癒していく)」を基本として、一人ひとりに合わせた療法で“”を治していきます。

突き詰めると、東洋医学の“本質は、答え(客観的な指標)が「内(その人にある)」にあり、「自分の中で基準を決めて、自分の体質にあったものを陰陽・五行の観点から調べていく医療」です。

』は“バランス”が崩れた時に起きる

そのため、「何が不足で、何が過剰なのか」を把握して、心身ともに全体のバランスがとれている状態に保ち、生命力・免疫力を高めておくことが重要です。

つまり、東洋医学は「生命力・免疫力を高める学問」であり、療法とも言えます。

本治と標治

東洋医学では「本治」と「標治」という言葉があり、それらを組み合わせて治療を行なっていきます。「本治」は病の原因そのものを治療することで、病を生み出す、あるいは病を呼び込んでしまう体質を根本から変えることです。一方、「標治」とは病の原因から生じる症状を治療することです。西洋医学でいう、本治」=「原因療法標治」=「対症療法と認識しておきましょう。

中医学という名称

よく東洋医学という言葉といっしょに中医学という言葉も出てきます。

ごっちゃになっている方も多い(その結果、わかりにくくなっている!)と思われますので、整理しておきましょう参考

◯【東洋医学日本だけが使う言葉で、現代日本における「漢方医学」である。ただし、いくつもの考え方があり、標準化(統一化)したものがない。ちなみに、「漢方薬」は日本における特定の処方薬を指す。「漢方」という言葉の使い方には、法的決まりはない(例:「漢方茶」)。

●【中医学は「中国伝統医学」の略語のこと。中華人民共和国成立後、中国共産党が中国各地にあった、様々な中国医学【*】を標準化したもの。歴史はまだ60〜70年くらいしかない。「中医学」という資格(国家試験)もある。

*中国医学:過去から現在まで、中国で行われている医学全体を指す場合に用いられる言葉。

2つはもともとは古代中国伝統医学をルーツに持ち、派生したものであり、似て非なるものです。

ただし、日本では同じものとしてみなしていたり、東洋医学という言葉の方が馴染み深い傾向があります。

上記を理解した上で、このサイトでは東洋医学と表現します。

八綱弁証

東洋医学では「本質はどこにあるのか・どのようなイメージ・言葉で捉えたらいいのか?」を具体的な症状で見ていきます。

それを問診により“今の状態”を理解します。

この時に役立つのが『八綱弁証(はちこうべんしょう)』です。

(難しそうな言葉が出てきましたが、できるかぎり、わかりやすい言葉で説明します!)

【弁証】証を立てること

弁証』:「証を立てること

心と身体、臓腑、経絡がどうなっているのかを判断することです。

一見、症状が同じでも、各個人によって原因が異なります。

そのため、一つの症状ではなく、「全体で見ること」が重視されます。

弁証には『八綱弁証』・『氣血津液弁証』・『臓腑弁証』の3つの方法が取られます。

ポイントは、いきなり『五行説』・『五臓六腑』で見ないこと。

最初から細かく見てしまうと、全体像を見失ってしまうからです。

まずは『八綱弁証』から““”を立てていくと良いです。

【八綱】8つの指標

八綱』とは次の8つの指標(基準)のことです。

八綱の8つの指標

  • 【陰陽】【のどちらが強くなっているのか(弱くなっているのか)。
  • 【虚実】正氣(しょうき)」が不足した状態(「」)であるか、身体が「邪氣(じゃき)」に侵された状態(「」)であるか。
  • 【寒熱】病のタイプを捉える。「」や「」の影響を受けているのか。
  • 【表裏】病の部位:浅い(体表部)・深い(内臓全般)、病の進行の程度:初期や急性・慢性を判断する(*「半表半裏」という表から裏に症状が進行する途中で、表と裏の症状が交互に見られることもある)。

基本は【陰陽を中心として、虚実】・【寒熱】・【表裏の“”を立てていきます。

これらについては、次の章以降で詳しくお話いたします。

東洋医学でみる

東洋医学次の4つの手順で観察すると良いです。

東洋医学の4つの手順

  • が巡っているか、滞っているか
  • ・〔津液と陰陽の状態はどうなっているのか?
  • 五行のエネルギーがどうなっているのか?
  • 五臓の状態はどうか?

ポイントは、ある程度「五行」まで絞った段階で検討すること。

いきなり「五臓」で見てしまうと混乱するからです。

問診では、『八綱弁証』を使って…

1.いつから、そのような状態になっているのか?

2.なにが原因なのか?(季節の変化、生活の変化(仕事・食生活・睡眠・環境)

そして、根本的な原因(「病因」)を探っていくため、症状を時系列で並べて、一つの繋がり(ストーリー)を組み立てていきます。

それにより、「一人ひとりに適したもの (心と身体に合ったもの)」を選べるようになります。

東洋医学と病因

東洋医学では「病因(病邪)」に関しては、「外因」・「内因」・「不内外因」の3つから成るとされます。「外因」は気象条件、「内因」は精神・心理条件、「不内外因」は社会・生活条件と分けられる。例えば、頭痛の場合は、風邪(外因)、ストレス(内因)、暴食(不内外因)から成ります。季節の条件と精神・心理、社会・生活条件と同列で扱うところに、東洋医学らしさを感じられます。

【まとめ】健全・最適であるために

東洋医学について、お話させていただきました。

医学とは「各個人の病気を治して、人々を健康に導くこと」が、本来あるべき姿です。

ただ、西洋医学【まとめ】でもお話しましたが、もっと深めて言うと…。

「健康である」、「病気である」というのは、“一つの状態”でしか無く、心と体のシステム全体として、健全・最適な方へ向かっているのか。

健全・最適であればあるほど、人生の幸福度・QOL(生活の質)は向上する。

これが最も重要な視点であると私は考えます。

そのためには、答えが「外(データやエビデンスなど)」にある【西洋医学答えが「内(その人にある)」にある【東洋医学

両者が歩み寄って両義的な視点を持ち、バランス良く調和して、お互いがその良さを活かし合うこと。

そして、自分自身に適したもの (心と身体に合ったもの)」を選ぶことが大切です。

お互いがその良さを活かし合えば、健全・最適な方向へと導けます。

東洋医学】』の理解を深めることで【西洋医学】、さらには、『現代医療』の理解も深まります。

そして、あなた自身、実生活における“モノの見方(自分の判断軸:モノサシ)”が磨かれていきます。

ぜひあなたの生活にも東洋医学の考えを取り入れてみてください。

次回は基礎編]第三章:陰陽論』について、お話いたします。

[基礎編]第三章
陰陽論とは?

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今回はここまで!

東洋医学をテーマにした内容は色濃くて深い分、一気に理解しようとすると、頭が混乱してしまいます。

本質はどこにあるのか、どのようなイメージ・言葉で捉えたら良いのか?

少しずつ頭の中で整理していき、確認をしながら理解を深めていきましょう!

何が大事なのか?」・「ポイントは何か?」という視点を大切に!
佑:Task

 

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美容薬剤師 佑:Task

【読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学】

基礎編

第一章:西洋医学とは?

第二章:東洋医学とは?(←今回はコレ!)

第三章:陰陽論

第四章:氣

第五章:血・津液

第六章:証(虚実・寒熱・表裏)

理論・応用編

第七章:五行論

第八章:五臓六腑(肝・心)

第九章:五臓六腑(脾・肺)

第十章:五臓六腑(腎・三焦)

第十一章:薬膳・漢方

番外編

第十二章:黄帝内経に基づく身体の変化

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