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【栄養素ガイド】“日光ビタミン” ビタミンD |インナーケア(永久保存版)

ビタミンDが身体の健康に大事!」って、よく聞くけど、実際どう良いの?ビタミンDはどう補給すると良いのかな?

こんなお悩みはありませんか?

ビタミンD日光ビタミンとも称され、肌に存在するビタミンD紫外線(UV-Bにより活性化を受けて、私たちの健康のために働いております。

また、主に魚・キノコ類に含まれており、食事からも補給されています。

従来より、ビタミンDは血中のカルシウムと骨の健康に重要とされてきました。

しかし、それだけでなく、近年では正常な細胞の活動維持から免疫機能、メンタルヘルス、貧血、糖尿病などにも関与していることがわかってきて、ビタミンDの重要性が注目されています。

ただ、すごく大事な栄養素にも関わらず、まだ十分には認知されていないことも多く、他の栄養素に目が行きがちで軽視されてしまうことが多いです。

また、ビタミンDの生理作用は難しいところ(難しく解説されていることも...)も多いと感じます。

そこで今回、美容薬剤師 佑:Taskが『“日光ビタミン” ビタミンD|インナーケア』をテーマに、科学的根拠をもとにしてわかりやすくまとめてみました。

このページを読めば、ビタミンDについてスッキリ理解ができます!

【栄養素ガイド】として永久保存版な内容で、きっとあなたの健康投資に重宝します。

ぜひブックマークして、ご自身の健康生活に役立ていただけたらと考えます。

免疫のカギを握る「ビタミンD」。私たちの美と健康になくてはならない栄養素です!ぜひこのページを読んで、“ビタミンDマスター”になってください!
佑:Task

ビタミンDとは?

ビタミンD(カルシフェロール)脂溶性ビタミンです。

ビタミンDは体内で代謝されて活性型ビタミンD3となり、細胞にある核内受容体(VDRと結合して、生体機能に関わる100~1,250の遺伝子の発現を調整します参考文献

骨の形成と成長、腸管からのカルシウムの吸収促進、腎臓の尿細管でのカルシウムリンの再吸収。

さらには、表皮細胞の分化・増殖の調整、細胞間タイトジャンクションの形成、炎症性サイトカイン抑制による抗炎症作用。

抗菌ペプチドの産生促進及び免疫細胞の増殖による免疫システムの調節・強化、血圧上昇ホルモン:レニンの分泌抑制など。

私たちにとって、ビタミンDはなくてはならないとても大切なビタミンです。

ビタミンDの主な働き

ビタミンDは各種の生理作用を発揮し、私たちの健康に大きく関与します。

その分、ビタミンDが不足すると、さまざまな悪影響が見られるようになります。

身体全体のバランス・調子を整えるためにも、ビタミンDはしっかりと補給していきたいところです。

ビタミンD2とD3

ビタミンDには6種類の同族体(*構造は異なるが、化学的性質が互いによく似た物質)が確認されています。

しかし、ビタミンDとして、私たちの身体で作用するものは2つだけです。

ビタミンD2:エルゴカルシフェロール

ビタミンD3:コレカルシフェロール

ビタミンD2はきのこ類、ビタミンD3は魚類に主に含まれます。

食事によるビタミンDは、胆汁により消化されて、小腸で吸収後、門脈を通って、肝臓へと運ばれます。

また、ヒトの皮膚細胞(真皮線維芽細胞および表皮角化細胞)には、ビタミンDの前駆体 (*一連の化学反応において、ある物質が生成される前の段階の物質のこと)である、プロビタミンD3の「7-デヒドロコレステロール(7-DHC)」が存在します参考文献

7-DHC紫外線(UV-Bを浴びることでプレビタミンD3となり、体温による熱異性化でビタミンD3へと変化します。

皮膚で生成されたビタミンD3は、ビタミンD結合タンパク質(DBPと結合して、血液循環により肝臓へ運ばれ、貯蔵されます。

ヒトのビタミンDの主な供給源は皮膚からの合成であり、食事からの摂取はビタミンDの循環レベルの20%未満です参考文献

「胆汁」とは?

胆汁」は肝臓で作られるアルカリ性の液体です。肝臓の中にある肝細胞でコレステロールから作られ、総胆管を通って、胆のうに一時貯蔵されて濃縮。食べ物が十二指腸に入ると、胆汁は胆のうから十二指腸へ排出されます。胆汁は1日約600mLも排出され、私たちの消化を助けてくれます参考サイト

 

ビタミンDの活性化

体内で活性化したビタミンD活性型ビタミンD3といいます。

ビタミンDが生理作用を持つためには、肝臓と腎臓における代謝過程を経て、「活性型」になる必要があります。

食事・サプリメント及びヒトの皮膚から供給されたビタミンDは肝臓へ供給されます。

そして、「酵素:25-ヒドロキシラーゼ(CYP27A1)・ミクロソーム型ビタミンD-25位水酸化酵素(CYP2R1」によって代謝されて、「25-ヒドロキシビタミンD3[25(OH)D]」となり、肝臓で貯蔵されます。

血液中の[25(OH)D]は、ビタミンD結合タンパク質(DBPと結合して安定化しており、血液循環により各組織へ供給されます。

腎臓へ運ばれると、「酵素:1α-ヒドロキシラーゼ(CYP27B1」によって代謝されると、「1α,25-ジヒドロキシビタミンD3[1,25(OH)2D]」となります参考文献

(*「CYP27B1」は腎臓以外でも、さまざまな組織で発現していることが確認されています参考文献。)

この[1,25(OH)2D]活性型ビタミンD3といいます。

活性型ビタミンD3は細胞の核内受容体(VDRと結合して、生理作用を発揮します。

ビタミンDと骨のリモデリング

私たちの身体の中には、大小206本の骨があります。

骨は身体を支えて動かす、脳や内蔵を守る、カルシウムを貯蔵する、血液中のカルシウムを一定に保つ(約9〜10mg/dL)、血液を作るなどの働きがあります。

ビタミンDは「骨のリモデリング」に関与し、骨を丈夫にして、筋力を高めます。

骨吸収」では破骨細胞の形成と活性化を促進、「骨形成」では骨の基質部位(骨質)へのヒドロキシアパタイト(骨塩)の沈着、及び、腸管からのカルシウムの吸収を促進します。

これらの作用により、骨の強度が保たれ、骨の健康が維持されます。

ビタミンDの血中濃度が「20ng/mL以下」の日本人女性は、20 ng/mL以上と比較して、5年間で非脊椎性、及び、脆弱性骨折のリスクが高いという研究結果もあります参考文献

また、ビタミンDの血中濃度は、高齢者のサルコペニア(筋量低下)や転倒とも関連があることが示されています参考

「骨のリモデリング」とは?

骨のリモデリング」とは、骨の新陳代謝のことです。骨は破骨細胞により、古い骨から常に少しずつ壊され、溶け出しています(「骨吸収」)。そして、骨芽細胞により新しい骨が合成されて、作り替えられています(「骨形成」)。

 

ビタミンDと免疫

ビタミンD免疫ビタミンとも称されるほど、免疫系に非常に重要なビタミンです。

ビタミンDは自然免疫と獲得免疫に関与しており、ビタミンD】欠乏は免疫力の低下を招きます参考文献

ビタミンDは「カテリシジン(LL-37)」や「デフェンシン(hBD-2)」といった「抗菌ペプチド」の産生を促進し、気道や腸などの粘膜の防御を強化します参考文献

その結果、細菌やウイルスなどの外敵に対して、抵抗性を持つようになります。

つまり、風邪などの発症リスクを下げ、感染症の予防にも成りうるのです参考文献

ビタミンD核内受容体(VDRと結合すると、細胞の増殖と分化を調節します。

核内受容体(VDRは、樹状細胞やマクロファージといった制御性T細胞や抗原提示細胞などの免疫系のほとんどの細胞で発現しています参考文献

ビタミンDVDR結合することで、インターロイキン10(IL-10)が増えます参考文献

IL-10は赤血球前駆細胞の炎症反応を抑制、さらに、炎症により誘発されるサイトカイン(IL-2IL-3TNFαなど)の放出を抑制します。

(*ビタミンDが欠乏すると、炎症性サイトカイン(IL-6IFNγなど)やTh1免疫応答などの指標が上がることもわかっています。)

ビタミンD免疫ビタミンとも称されるのは、このような作用があるからです。

ビタミンDとガン

ビタミンDが免疫・炎症反応を抑制するということで、「ガン」とも関係しているとされます。

ビタミンDの血中濃度と直腸ガンによる死亡者数では、血中濃度が高くなるほど、死亡リスクが減少しました参考文献

また、ビタミンDの血中濃度が低くなることによって、男性:4.6倍・女性:2.7倍の大腸ガンの発生率が上がることが報告されています参考文献

大腸ガンのリスクだけでなく、乳ガンなどの他のガンにおいても、ビタミンD3が関与していると考えられています。

血中の活性型ビタミンD3は、代謝酵素である「CYP27B1」と「CYP24A1」で調整されています。

CYP27B1[25(OH)D][1,25(OH)2D]へと、ビタミンD3活性型ビタミンD3へと代謝するために必要です。

一方、CYP24A1活性型ビタミンD3の分解に働きます。

正常な細胞では、CYP27B1の発現は活性型ビタミンD3により抑制され、CYP24A1活性型ビタミンD3により誘導されるため、活性型ビタミンD3の血中濃度はほぼ一定に保たれています。

しかし、ガン細胞ではこのバランスが崩れ、CYP27B1が減少し、CYP24A1の発現が増加するため、ビタミンDの生理作用が低下します参考文献

ガンを予防するためにも、免疫ビタミンであるビタミンDで身体を守ることが大切です。

ビタミンDと美肌

ビタミンDは皮膚の免疫機能・健康を維持するためにも重要です。

ヒトの皮膚細胞(真皮線維芽細胞および表皮角化細胞)にはビタミンDの前駆体 である、プロビタミンD3の「7-デヒドロコレステロール(7-DHC)」が、皮膚1gあたり約250μgの濃度で存在しています。

7-DHC紫外線(UV-Bを浴びることでプレビタミンD3となり、体温による熱異性化でビタミンD3([25(OH)D])へと変化します。

また、皮膚の表皮細胞には腎臓と同じく、ビタミンDを活性化する酵素:1α-ヒドロキシラーゼが発現しているため、皮膚においても活性型ビタミンD3が合成されます参考文献

これが皮膚細胞の核内受容体(VDRと結合して、皮膚にも生理作用を発揮します。

表皮細胞の分化・増殖に働くだけでなく、「皮膚のバリア機能」及び「水分保持能」に関与する「クローディン」と「オクルディン」の産生を促進。

タイトジャンクション」という細胞同士の結びつきを強化することも報告されています参考文献

肌の免疫機能・健康を維持するためにも、ビタミンDは必須な栄養素です。

【ビタミンD】とニキビ

ビタミンDは「ニキビ」の改善に役立つかも知れません。ビタミンD】欠乏症20ng/mL以下)の人とそうでない人を比較したところ、ビタミンD】欠乏症の人はニキビに悩む確率が46%高く、ニキビの患者の体内のビタミンDは普通の人よりも、平均して 「7.66 ng/mL」低かったとのこと参考文献。ニキビで悩む方は、ビタミンDが不足している可能性があります。

 

ビタミンDとメンタルヘルス

ビタミンD(幸せホルモン)セロトニンの脳内おける濃度を上げて、その働きをサポートします参考文献

ビタミンDセロトニン合成酵素(トリプトファンヒドロキシラーゼ)を誘導して、【トリプトファン】からセロトニンの合成を促進します。

また、セロトニンを再取り込みする輸送体(SERT)と分解酵素(MAO-A)の遺伝子発現を抑制します。

ニューロン(脳の神経細胞)の接合部:シナプス間におけるセロトニンの濃度を上げます。

セロトニンは意欲や気分、満足感、睡眠などのメンタルに大きな影響を与えます。

ビタミンDは脳と心の健康にも大切です。

ビタミンDと睡眠

ビタミンDは睡眠を良くするためにも必要です。

まず、良質な睡眠を促す(睡眠ホルモン)メラトニンは、(幸せホルモン)セロトニンから作られます。

ビタミンDとメンタルヘルス』でもお話したとおり、ビタミンD(幸せホルモン)セロトニンの脳内おける濃度を上げるためにも重要です。

また、ビタミンD核内受容体(VDRは、睡眠−覚醒サイクルを調節する脳の視床下部でも発現しています。

ビタミンDの血清レベルが低い人は、睡眠の質が低いことがわかっています参考文献

ビタミンDが「20ng/mL以下」のヒトは、約60%も睡眠の質の低下のリスクを増加させます参考文献

睡眠の質の低下は私たちの健康に悪影響を及ぼすことはご存知であるかと思います。

ビタミンDは快眠のためにも重要です。

天気が悪い日の日光浴は?

ビタミンDを得るためには、紫外線が必要であるため、外に出て日光を浴びることが重要です。しかし、「天気が悪い日の日光」はどうか? まず、体内時計のリセットには、最低2,500ルクスの光が必要とされています。下記の通り、雨の日の屋外でも体内時計のリセットに働きます。もちろん、皮膚からのビタミンDという観点からも外に出て浴びた方が良いです(*晴れた日よりも少しだけ長めの時間)。

◯ 晴れた日の南や東向きの窓側:2,500ルクス

● 雨の日の屋外:5,000 ルクス

● 曇りの日の屋外:10,000 ルクス

◯ 晴れた日の屋外:100,000 ルクス

ビタミンDと認知機能

肝臓だけでなく、脳内でもビタミンDを代謝活性化する酵素:1α-ヒドロキシラーゼ(CYP27B1が産生されていて、活性型ビタミンD3が合成されます参考文献

また、核内受容体(VDRは、海馬などの記憶に関与する領域を含む脳全体に発現しています参考文献

活性型ビタミンD3VDRと結合すると、脳内で神経細胞の保護、増殖・分化の調節を行います。

その結果、脳機能がうまく働くようになります。

ビタミンDの濃度が高いほど、全般的な認知機能も高くなります参考文献

また、ビタミンDの欠乏は「認知症」のリスクの大幅な増加と関連していることも確認されています参考文献

ビタミンDは潜在的な脳血管保護の役割が示唆されています参考文献

ビタミンDはマクロファージを刺激して、認知症の原因となる「アミロイドβ(Aβ)」を貧食、つまり、脳内をお掃除してくれます。

脳の健康、認知機能を良くするために、ビタミンDが重要であると考えられています。

ビタミンDと貧血

貧血」というと、をイメージされる方も多いですが、実はビタミンDも関わっています。

ビタミンDは赤血球の前駆細胞の増殖及び成熟をサポートします。

ビタミンD核内受容体(VDRと結合することで、インターロイキン10(IL-10)を増やします。

IL-10は赤血球前駆細胞の炎症反応を抑制、及び、赤血球の増殖に働きます。

また、ビタミンD】欠乏及び炎症反応により、の代謝を調節するホルモン:ヘプシジンの発現が促進され、機能的に鉄欠乏となるため、貧血に至ります参考文献

ヘプシジンは肝臓で生成され、鉄輸送体である「フェロポルチン(FPN」の分解を促進します。

その結果、細胞内のマクロファージにある貯蔵鉄の血中への移行を抑制、及び、腸管からのの吸収が低下するため、十分な赤血球の造血ができず、ヘモグロビン濃度が低下します。

ビタミンDが欠乏している人は充足している人と比較して、「貧血」を発症するリスクが64%高いです参考文献

を補給することも大切ですが、貧血を予防するためにも、ビタミンDを補給することも大切です。

ビタミンDと糖尿病・肥満

ビタミンDと糖尿病、そして、肥満と関連していることが明らかになっています。

ビタミンDの血中濃度が高い群は低い群と比べて、2型糖尿病のリスクが64%低く、ビタミンDカルシウムの不足は血糖に悪影響を及ぼす可能性があることが報告されています参考文献

また、肥満はビタミンD不足になる可能性があります。

非肥満者と比較して、肥満者はビタミンDの血中濃度が57%低いことが示されました参考文献

肥満の人は脂肪細胞が多いため、脂溶性ビタミンであるビタミンDを多く抱え込んでしまい、身体が利用できる(血中に放出される)ビタミンDが低下してしまうからです。

ビタミンDが少ないと、脂肪細胞への分化が促進されることから肥満にもつながり、さらに、抗炎症作用も発揮されず、肥満関連の代謝障害、インスリン抵抗性が低下する可能性があります参考文献

そして、結果的に「メタボリックシンドローム」や「生活習慣病」につながることとなります。

肥満の人はビタミンDのサプリや日光浴をしても、血中濃度が上昇しにくいです。

そのため、肥満とならない生活習慣も大切です。

ビタミンDと妊娠

ビタミンDは排卵・着床などに関係し、妊娠を助ける大切な栄養素です。

卵巣・子宮・胎盤・精巣などの生殖器にも核内受容体(VDRが存在することから、ビタミンDは妊娠の成立に大きく関わっていることが、明らかになっています参考文献

【妊娠前】

  • ビタミンDは子宮内膜の環境を整えるため、着床に必要である参考文献
  • ビタミンDの血中濃度は子宮内膜の着床環境に関与している参考文献
  • 血中のビタミンD欠乏は体外受精での低い着床率や妊娠率に関連する参考文献
  • ビタミンD濃度が正常な女性は、不足している女性より体外受精の妊娠率が上昇していた参考文献
  • 習慣性流産の女性はビタミンD欠乏が多く、免疫異常のリスクも高い参考文献
  • ビタミンD欠乏の男性の精子は、精子運動率や前進精子運動率、正常精子形態率が低い参考文献。 

また、妊娠中にビタミンDを十分に摂取することで、出生後の子どもが「小児ぜんそく」にかかるリスクが大きく低下することもわかっています参考文献

ビタミンDは妊娠に大切な栄養素であることがわかります。

ビタミンDと他の栄養素の相互作用

ビタミンDは、カルシウムだけでなく、他の栄養素とともに生体内で働きかけて、私たちの健康を維持するために活躍してくれます。

ここでは身体の土台であるタンパク質必須ミネラルであるマグネシウム

そして、ビタミンKとの関係性についてお話いたします。

タンパク質

ビタミンDは、血液中では「ビタミンD結合タンパク質(DBP」と結合して、各組織へ運ばれます。

つまり、タンパク質が十分でないと、ビタミンDの生理機能が低下します。

タンパク質カラダのベースとなる重要な栄養素です。

不足すると、私たちの身体は正常な状態を維持できなくなり、様々な影響が出ます。

それはビタミンDの働きにも影響を及ぼすのです。

マグネシウム

マグネシウムビタミンDを代謝・活性化するために必要なミネラルです参考文献

ビタミンDが肝臓・腎臓で代謝されて、活性型ビタミンD3となるためには、マグネシウムが必要となります。

また、血液循環の際、ビタミンDは血液中で「ビタミンD結合タンパク質(DBP」と結合しますが、マグネシウムがこの結合をサポート。

身体の各組織にビタミンDが行き渡り、その効果及び生理作用を発揮するためには、マグネシウムは欠かせないミネラルなのです。

持ちつ持たれつつの関係

ビタミンDが欠乏すると、腸管からのマグネシウムの吸収が低下します参考

また、ビタミンDを大量に摂取すると、マグネシウムの消費量が増えてしまい、マグネシウムの不足を招いてしまいます。

ビタミンDマグネシウムは“持ちつ持たれつつ”の関係なのです参考文献

そのため、ビタミンDをサプリメントで補う際は、同時に、マグネシウムもいっしょに補うことが重要となります【後述】

ビタミンK

丈夫な骨を作るためには、ビタミンDとともに、ビタミンKも重要です。

ビタミンKは「骨のリモデリング(骨形成)」のために重要な栄養素の一つ。

骨に存在する「オステオカルシン(カルシウム結合タンパク質)」を活性化し、カルシウムの骨への沈着を促します。

また、コラーゲン生成を促進して、骨質を改善します。

ビタミンDは、「骨形成」では骨質へのヒドロキシアパタイトの沈着、及び、腸管からのカルシウムの吸収を促進します。

しかし、ビタミンKが不足すると、ビタミンDで腸管から吸収及び「骨吸収」によるカルシウムが血中が残ってしまい、血管を「石灰化」してしまう可能性があります参考文献

血管の石灰化は動脈硬化よりも厄介で、血管が劣化、衰えてしまいます。

野菜や発酵食品に多く含まれるビタミンKは腸内細菌によってもつくられるため、基本的に不足することはありません。

しかし、腸の状態が悪かったり(ビタミンD】不足の影響もあるかも?!)、偏食によりビタミンKが欠乏することもあります。

ビタミンKには血管の石灰化を抑える働きがあることからも、ビタミンDとセットで必要であると考えられます参考文献

ビタミンDの栄養状態(充足度)

活性型ビタミンD3である[1,25(OH)2D]は、身体の恒常性を保つために、カルシウム】・【リン】・パラトルモン(PTHFGF-23によって、厳密に制御されています。

[25(OH)D][1,25(OH)2D]と比べて、1,000倍の高濃度で存在します。

(*[25(OH)D]の測定単位:ng/mL、[1,25(OH)2D]の測定単位:pg/mL)

また、[25(OH)D]の半減期は約2〜3週間である一方で、[1,25(OH)2D]の半減期は約4〜6時間と非常に短いです参考文献

そのため、ビタミンD】の栄養状態(充足度)を評価するには、生体内に最も多く存在する25(OH)Dの血中濃度で判断するのが適しています。

日本内分泌学会の「ビタミンD不足・欠乏の判定指針」では、「30 ng/mL以上」をビタミンD充足状態の判定基準としています。

【ビタミンD】の判定基準

  • 〜20 ng/mL:欠乏
  • 20〜30 ng/mL:不足
  • 30〜50 ng/mL:正常値
  • 50〜80 ng/mL:至適値

*ビタミンDの理想的な血中濃度については、2015年に代替療法の権威ある学会:ACAM(アメリカ)では「50〜80 ng/mL」と示されています。

ただし、[1,25(OH)2D]の検査は保険適用されますが、25(OH)Dの検査は保険適用外(自費検査)となります。

自分の【ビタミンD】のレベル」を知りたい方は、検査を受けられるクリニックや医療機関を探す必要があります。

「パラトルモン(PTH)」とは?

パラトルモン(PTH)は副甲状腺より分泌されるホルモン。血中の[25(OH)D]カルシウムの濃度が低下すると分泌が促進されます。「骨吸収」を促進して、血中のカルシウム】・【リンの濃度を上昇します。また、腎近位尿細管の酵素:1α-ヒドロキシラーゼ(CYP27B1の活性を更新します。[1,25(OH)2D]核内受容体(VDRと結合すると、PTHの分泌は抑制されます。

 

「FGF-23」とは?

FGF-23とは「線維芽細胞増殖因子-23」というホルモンのこと。血中のリンの濃度が上昇すると、骨より分泌が促進します。腎臓におけるビタミンDの代謝活性化を阻害し、腸管からのリンの吸収を低下させます。

ビタミンDの血中濃度と関連疾患

ビタミンDが不足すると、各種の疾患を引き起こすリスクとなります参考書籍

近年ではビタミンDの主な供給源である魚類の摂取量の減少、過度の紫外線対策により、男女を問わず、あらゆる年代で慢性的なビタミンDの不足が懸念されます。

特に、紫外線の量が減る秋〜冬にかけて、夏と比較して、ビタミンDの血中濃度が低下する傾向にあります。

国内で調べた調査では、11月に「日本人の男性:3割・女性:6割」で、ビタミンDが「20 ng/mL以下」と欠乏していることが明らかになっています参考文献

他にも、50歳以上の日本人女性を対象とした試験では、5割の人が欠乏、9割の人が不足という結果もあります参考文献

私たちの身体の健康のためにも、正常値から至適値である「30〜80 ng/mL」を維持したいところです。

季節による紫外線の量

冬季は紫外線がオゾン層に吸収されるため、夏季の1/4〜1/10の量にまで減るとされます参考文献。そのため、皮膚からのビタミンDの合成を促すためにも、冬季でも日光を浴びることが大事です。

ビタミンDの血中濃度が上がるまで

ビタミンDの血中濃度はすぐには上がりません参考文献

ビタミンD3を21週間、「1,000 IU・5,000 IU・10,000 IU」の3つの量で毎日取った時の血中濃度のデータより、ビタミンDの血中濃度を上げていくのに、時間がかかるのが見て取れます。

なぜ、ビタミンDの血中濃度を上げるのに時間がかかるのか?

...と思う方もいらっしゃるかと思います。

これはビタミンDが「脂溶性ビタミン」であることに関係します。

そもそも、血液は「水分」でできていて、基本、「油分」に水に溶けません。

肥満の人は、脂肪細胞がたくさんあるため、ビタミンDもその中に溶け込んで保有してしまいます。

そして、血中に放出される(身体が利用する)ビタミンDが減ってしまうからです参考文献

(つまり、体重が多ければ多いほど、体内のビタミンDの血中濃度は下がりやすくなり、肥満の人はやせた人よりも2〜3倍ビタミンDが必要とされる。)

また、ビタミンDが吸収されるためには、コレステロールから胆汁が十分に作られていて、消化がしっかりできていること。

そして、血液循環の際、血液中でビタミンDと「ビタミンD結合タンパク質(DBP」と結合するために、タンパク質が十分であること。

ビタミンDがしっかりと代謝されていること(マグネシウムが足りているか?)。

これらが関係しているため、総合的にビタミンDの血中濃度が上がるまでに時間がかかるのです。

日光を浴びることをベースに、肥満の人は食事・サプリメントによるビタミンDの補給は多めにすると良いと考えられます。

友人より提供

画像の資料は、そのまま私がお世話になっているメンター・友人(体型:普通、アトピー性皮膚炎)の方にご提供していただいたものです参考サイト

2019年6月5日からビタミンD310,000 IU/日 を定期的に摂取開始、2020年10/23からは毎日、10,000 IU/日を摂取したところ...

  • 2019年6月5日:20.0ng/mL
  • 2020年10月23日:63.0ng/mL
  • 2021年6月8日:78.4ng/mL

...と時間がかかったとのこと。

「今は全く風邪を引かなくなった」とのことで、ビタミンDの血中濃度を上げたおかげと考えていらっしゃいます。

ビタミンDはどれくらい補給すれば良いのか?

血中のビタミンDのレベルを保つためには、食事・サプリメントからの摂取、紫外線(UV-Bによる照射が基本です。

結論から話すと...

【基本】食事(目安:8.5μg/日)+天然の魚油由来サプリメント(目安:2,000IU/日)+日光浴(1日20分) 

...となります。

「単位:IU」とは?

IU」とは国際単位のことで、一定の生物学的効果を発揮できる量が国際的な同意の上、物質ごとに決められています。ビタミンDは「1 μg=40 IU」で計算されます(*つまり、「25 μg = 1,000 IU」)。

 

食事

成人目安量:8.5μg/日(340 IU/日)

食事では植物性(きのこ類)からビタミンD2、動物性(主に魚類)からビタミンD3を摂取します。

野菜や穀物、イモ類、豆類には含まれず、肉も多くはありません。

日本人が摂取するビタミンDの90%以上は魚類から摂取されていて、きのこ類からは4.4%です。

食事摂取基準(2020年版)では、日常生活における皮膚での産生量を考慮し、「血中濃度:20ng/mL」以上に維持して骨折リスクを増大させない摂取量として、「成人目安量:8.5μg/日(340 IU/日)」と策定されました参考資料

(*成人の「身体活動レベル:ふつう」で、耐容上限量:100μg/日 = 4,000 IU/日。ただし、これまで公表されたビタミンDのリスク評価では、大部分の健康な人にとって安全な摂取量は、250 μg/日 = 10,000 IUとしている報告もあります参考文献)。

しかし、ビタミンDを含む食品の摂取量の低下。 

そして、日本人は慢性的なビタミンD】不足がみられることからも、この目安量では「少ない」と考えられ、サプリメント・日光浴からもビタミンDを補給する必要があります。

食事からビタミンDは取らなくても良い?

ビタミンD紫外線により皮膚細胞からも生成されるため、日光を浴びる機会が多い方は「食事からの【ビタミンD】の摂取量は少なくても良いのでは?」という考えもあります。ただ、日本人はビタミンDが不足しがちでもあるため、「どちらも必要である」と私は考えます。

 

サプリメント

ビタミンDのサプリメントは市場に多数出回っていて、「カプセルタイプ」のものから「ミセルタイプ」のものまであります。

ひとまず、ビタミンD3(Vitamin D-3)とラベルに書かれたものを選択してください。

そして、消化が落ちている人は、「ミセルタイプ」を選ぶと良いです。

ミセルタイプ」は乳化されていることから、胆汁による消化が不要であるため、吸収されやすいからです。

また、「天然」のものを選ぶようにしましょう。

ビタミンDのサプリメントを摂取する時のポイントは...

食事の時に摂取すること

これはビタミンDが「脂溶性ビタミン」だからです。

食事によって、胆汁が分泌されるため、胆汁と混ざることで消化・吸収されやすくなります。

なぜ「天然」が良い?

市販されているビタミンDのサプリメントの中には、原材料として「羊毛」が使われていたりします。

刈り取られた羊毛に紫外線を照射することで、[25(OH)D]が生成されます。

これを抽出して、サプリメントの原料としているのです。

ただ、私たちの身体にとって、栄養素はできるだけ「天然物」または「天然に存在するものに近い組成であるもの」が良いです。

古くから、人は「魚(魚油)」からビタミンDを摂取していました。

昭和でいえば「タラ肝油」です。

そのため、ビタミンDのサプリメントの原材料は「天然の魚油由来」であることが望ましいのです。

なぜ「2,000 IU/日」を目安?

ビタミンDの量:「2,000 IU/日」と聞いて、「あれ?ちょっと少ないかな?」と思う方もいらっしゃるかと思います。

まず、この「2,000 IU/日」は、『オーソモレキュラー栄養療法(分子栄養学)』における必要量となります。

もちろん、2,000 IU/日以上をサプリメントで摂っても良いです(*「肥満」の人は特に、金銭的な余裕があれば...)。

ただ、ビタミンDのサプリメントを「高容量」で摂取するのであれば、もう一つ、「大事な栄養素」もいっしょにしっかりと摂っていただきたいです。

マグネシウム

先にも述べましたが、ビタミンDマグネシウムは“持ちつ持たれつつ”の関係です参考文献

ビタミンDが体内で代謝・活性化、血液循環する際に、マグネシウムが必要となります。

つまり、ビタミンDの生理的な効果を期待する、特に「5,000 IU」・「10,000 IU」などの「高容量」をサプリメントで摂取するのであれば、マグネシウムもしっかりと補給する必要があるのです。

しかし、現代の食生活では、外食や加工食品の増加、ジャンクフードなどを食べる機会が多く、マグネシウムが含まれるような豆類、ナッツ類、海藻類、野菜類などの摂取が不足しています。

そこで、マグネシウムも「サプリメント(栄養補助食品)」で補うことをおすすめします。

医薬品のビタミンDは?

骨粗鬆症の治療薬として、医薬品(処方せん)で取り扱う「ビタミンD製剤(例:アルファカルシドール、ロカルトロール)」があります。

これらは、いずれも活性型ビタミンD3に近い構造であるため、体内へ吸収後は強い生理活性を発揮します。

それなら、「サプリメント」ではなく「医薬品」で補給すれば良いと思われがちです。

しかし、活性型ビタミンD3である[1,25(OH)2D]は、恒常性を保つために、体内では「低濃度」で厳密に制御されています。

医薬品」で補給した場合、強い活性を有するため、『高カルシウム血症』などの「副作用」のリスクが出てきます。

そのため、「サプリメント(栄養補助食品)」で補う方が良いのです。

日光浴

日光浴(1日20分) 

食事によるビタミンDの補給と同じくらいに、日光浴によるビタミンDの補給も重要です。

皮膚にある7-DHCは、紫外線(UV-Bを浴びることで代謝されて、最終的には活性型ビタミンD3へと変化して、生理作用を発揮します。

肌の露出度を10%として、東京都内で夏に直射日光を30分浴びると、ビタミンDは「700-800 IU」できるとされます参考文献

UV-Bは服やガラスを通れないため、インドアワーカーなどの室内で過ごすことが多い人や過度の紫外線対策によって、ビタミンD】不足になっている可能性があります。

紫外線は「光老化」の原因となるためが嫌悪されがちですが、「全く浴びない」というのは、逆に“リスク”となり、一説には「日光を避けるのはタバコと同じぐらい身体に悪く、日光を避けると死亡率が増える」とされます参考文献

また、年齢が上がるにつれて、日光浴により皮膚でつくられるビタミンDが作られる量は減っていきます。

80歳までに、表皮細胞にある7-DHCの濃度は、最大で「1/3」まで減少することもわかっています参考文献

つまり、「食事・サプリメント・日光浴」と、ビタミンD】をバランス良く補うことが大切です。

ここまで読んで、私たちの健康にビタミンDがどれだけ重要であるかはおわかりいただけたかと思います。

朝の散歩程度でも良いので、ビタミンDを補給するためにも、「1日20分」 を目安に日光浴をしましょう!

おすすめのサプリメント

ビタミンDはまずは毎日の食事からの摂取が基本となります。

しかし、現代の食生活では、魚・きのこ類を食べることも少なく、さらに、免疫の観点からもビタミンDはサプリメントから摂取することも検討した方が良いです。

そこで、美容薬剤師 佑:Taskがおすすめするのが、『オーソサプリPro(ウェルネスプラス社)』シリーズの『D3フィッシュオイル』です。

D3フィッシュオイル』は「タラ油」由来のビタミンD3が主な成分。

1粒で「2,000 IU」配合(*1日2粒を目安)。

ミセルタイプ」で乳化されているため、胆汁の分泌能・消化が低下している方でも比較的容易に吸収されます。

不足しがちなビタミンDを効率よく摂取することができます。

まずは『D3フィッシュオイル』のページにアクセスして、ご確認ください。

【まとめ】インナーケアによるビタミンD補給で美と健康へ

【栄養素ガイド】“日光ビタミン” ビタミンD|インナーケア』をテーマに、科学的根拠をもとにしてわかりやすくまとめてみました。

ビタミンDは日々の健康を維持するためにも大切なビタミンです。

基本的には毎日の食事からの摂取、そして、日光浴による補給が大事ですが、現代人は不足していることが多いです。

食事・サプリメント・日光浴」と、ビタミンDをバランス良く補っていきましょう。

タンパク質は“元気の土台”です!毎日をイキイキと過ごすためにも、積極的、かつ、十分な量を摂っていきましょう!
佑:Task

 

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