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【概念】オーソモレキュラー栄養療法(分子栄養学)とは?

あなたは「自分にぴったりの栄養を補給すること」ができていますか?

人によって、必要な栄養の量は異なります。

持って生まれた体質、現在の状態、不調も含めて、総合的に判断する必要があるのです。

「一律に同じ量の栄養を補給するのではなく、各個人ごとに足りない栄養を見極めて補給する」

それを体系化したのが、オーソモレキュラー栄養療法(分子栄養学)』です。

正直な話、オーソモレキュラー栄養療法は学べば学ぶほど、奥が深く、とっつきにくいと感じてしまう方も多いと思います。

(逆に、だからこそ、様々な不調の原因を解き明かせる力があるということですが...。)

そこで、このページでは、オーソモレキュラー栄養療法【概念】について、兎にも角にも、わかりやすく”まとめてみました。

オーソモレキュラー栄養療法とは?

生体内に正常にあるべき分子(molecule)を至適濃度に保つ(ortho)ために、十分量の栄養素(nutrition)を摂取することによって生体機能が向上し、病態改善が得られる治療法・医学(medicine)。− オーソモレキュラー栄養療法(Orthomolecular nutrition medicine)

オーソモレキュラー栄養療法』は日本では「分子栄養学」・「分子整合栄養医学」とも称され、「自らの自然治癒力を高め、病気の進行を防ぎ、症状の改善、さらに病気の予防」を目的とします。

適切な食事やサプリメント・点滴、糖質コントロール等を用いて、各個人に合わせた、必要かつ適切な栄養素を補給し、「最適な濃度」で、私たちの身体を構成する約37兆個(*60兆個ともされる)の細胞の働きを向上させて、様々な病気の治療や不調を改善していきます。

最適な濃度」とは、「最適な状態(optimum health)」に整えるために必要な分子(栄養素)の濃度のことです。

分子というと、イメージが沸かないかもしれませんが、私たちの身体の最小単位が「分子」であり、私たちの身体の細胞は分子からできています。

分子が最適な濃度であることにより、身体の各細胞に働きかけて、身体を整えていくことができるのです。

また、ここで大事なのは、最適な濃度には「個人差(個体差)」が存在するということです。

そのため、「各個人に合わせた」栄養素を補給するために、血液検査のデータを参考とします。

「Orthomolecular」は造語

Orthomolecular」という言葉は、“分子(molecular *名詞:moleculeの派生語)を整える(ortho)”と米国で生まれた造語です。

なぜ血液検査のデータが重要なのか?

オーソモレキュラー栄養療法(以下、「オーソモレキュラー」)では、「血液検査のデータ」を参考とします。

血液には「リアルタイムの情報と過去の状態」が反映される貴重なデータです。

血液検査データの測定値は、上昇させる因子低下させる因子の影響力のバランスです。

この測定値が理想とする数値よりも高いのか、それとも、低いのか。

各個人のデータのバランスや3〜6ヶ月毎の経時的変化を評価して、治療方針を決めます。

よく勘違いされやすいのは、健康診断や人間ドックなどで行われる、通常の血液検査による統計学的な基準値(病態識別値・治療目標値)とは、使う目的や意義が異なるということです。

通常の血液検査におけるデータは「母集団の95%が占める範囲を表した数値」です。

つまり、「各個人の身体にとって理想とする値(各個人の正常値)ではない」のです。

あくまでも、「正常値(理想値)」ではなく「参考値」なのです。

オーソモレキュラーでは、通常の血液検査の5〜6倍、約60項目ほど(さらに詳しくすると、約100項目ほど)の検査データから判断し、各個人に合わせた治療をしていきます。

検査項目の評価方法の違い

◯一般的な理解(通常の検査)

・AST(GOT)、ALT(GPT)、LD(LDH):これらの酵素は組織障害(主に「肝臓」)による逸脱を評価
→ 組織障害があると、血中に逸脱(流出)して上昇する。

・BUN:腎機能障害(排泄障害)の指標

●栄養面からみた病態把握(オーソモレキュラー)

・AST(GOT)、ALT(GPT):細胞内でのアミノ酸代謝を反映
→ ビタミンB6の不足、アミノ基転移反応の抑制

・LD(LDH):乳酸代謝を反映、NADP活性など
→ ナイアシンの不足、基礎的エネルギー代謝の低下

・BUN:タンパク質由来の窒素(N)の反映
→ タンパク質代謝の低下、病態改善に不利

項目 基準値 4/20 9/10
AST 10~40 14 24
ALT 5~45 8 27
LDH 120~240 142 189
BUN 8.0~20.0 8 12

検査データから、◯一般的な理解(通常の検査)では、基準値内であることから問題ないと捉えます。

しかし、●栄養面からみた病態把握(オーソモレキュラー)では、ビタミンB群ナイアシンタンパク質が不足していると考えます。

そこで、サプリメントによるビタミンB群とナイアシン、タンパク質(プロテイン)を補充。

食生活をタンパク質を中心として、栄養的なアプローチをします。

その結果、約5ヶ月後 (4/20→9/10)には数値が改善(上昇)しています。

この患者さん(女性、52歳、うつ病)は、4/20の時は、強い疲労感、外に出たり、人に会いたくない、家事はほとんど行えない状態でした。

しかし、栄養的なアプローチにより、疲労感は軽減し、外出意欲も出てきて、家事はうつ病発症以前と同様に行うことも可能となりました。

サプリメントは絶対必要か?

オーソモレキュラーでは、必要に応じてサプリメントを用いることが多いです。

そのため、「サプリメントあってこその栄養療法」だと思われがちです。

しかし、この考え方は誤っており、サプリメントはあくまでも「効率化するためのツール」なのです。

大事なのは、生活習慣や食習慣などの根本的な原因を改善し、ストレスを減らすことなどが栄養療法の土台です。

土台が整ってこそ、自分に合ったサプリメントを使った時に適した効果を得られます。

まずは今の自分の状態をきちんと把握し、必要なサプリメントを取り入れていきましょう。

(*それにサプリメントはお金がかかりますからね。「できそうな現実的な解決策」からやってからでも良いと思います。)

【まとめ】人生を豊かにするために活かそう!

栄養が私たちの身体に大きな影響を及ぼしているということは、普通に生活していると意識することも少ないです。

オーソモレキュラー栄養療法は、原因不明の不調をはじめ、様々な病気から、多くの人たちを救う選択肢となります。

まだまだ、一般的には認知されていない、認知されていても実践にまでは及んでいない分野でもありますが、私たちが健康的な毎日を生きるためにも知っておきたい内容ばかりです。

また、知った上で大事なのは、「人生を豊かにするために活かす」という観点です。

できること、やりたいことがやれるように、一人ひとりが生きがいを持って、今日一日を充実させていただきたいのです。

さて、ここまでお読みになったあなたは、心も身体が今よりも元気であるならば、何をしたいですか?

あなたが、あなたらしく、あなた本来の美と魅力を発揮して、笑顔で美しい人生を歩めることを心から願っております。

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