【読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学】の[基礎編]第一章:【西洋医学】について、わかりやすくお話いたします。
「え?【東洋医学】を学ぶのに、なんで先に【西洋医学】?」
...と思わないでください!
「【西洋医学】とは何か?」を知ることで、【東洋医学】に対する理解がさらに深まる!
...と私は確信しているからです。
そのため、[基礎編]第一章として【西洋医学】を取り上げました。
西洋医学と東洋医学
医学は長きに渡る進化と発展を繰り返し、現代社会において、我々に様々な恩恵を与えています。
先人たち、そして、今も最前線で活躍している方々の血と汗の結晶や努力。
日々研鑽して取り入れられた人類の叡智が、そこにはあります。
現代の医学は「多種多様な症例」や「データの蓄積」、「エビデンス」の数が集まり、『それらに重きを置く医学』が中心となっています。
これが【西洋医学】です。
片や、独自の理論と概念で進歩し、答えはその人の「中」にあるとした医学があります。
これが【東洋医学】。です。
【西洋医学】と【東洋医学】。
そのどちらにも文化があり、積み重ねられた歴史があります。
ただ、私が不思議と思うのは...
【西洋医学】は【東洋医学】の考えに否定的なことがあり、その逆も然り、【東洋医学】は【西洋医学】の考えに否定的なことがある
...ということです。
(*今はだいぶ解消されてきました。)
さらに、現代の医学は西洋医学と東洋医学のどちらかに偏りが生じたり...。
果ては自分が信じるもの以外を排他的に捉える傾向も見受けられます。
それが、結果的に良い方向へと導けることもあれば...。
逆に、治療に行き詰まってしまい、バランスが崩れて、不健康へと導いてしまうことにもつながっているのではないでしょうか?
そもそも、【西洋医学】と【東洋医学】に善悪はなく、“絶対的な正しさ”はありません。
どちらにも得意・不得意、一長一短なところがあります。
ここでは、まず【西洋医学】について理解を深めていきましょう!
西洋医学の本質
【西洋医学】の“本質”は、突き詰めると「万人に当てはめることができるデータと言葉を伴って手順化された医療」です。
西洋医学では次の3つの考えが“核”になっています。
西洋医学の“核”となる考え
- 【普遍性】一般化できること
- 【客観性】客観的であること
- 【論理性】論理的であること
また、西洋医学は次の手順で行われます。
「主訴」→「診察」→「診断」→「治療」
この一連の過程は「手順化(プロトコール)」とされていて、カルテに記載されます。
ポイントは「誰でも再現できること(再現性)」。
「再現性」に重きが置かれています。
診断の際は、様々な検査方法(血液検査、心電図、MRI、CT、レントゲン)があります。
検査ではまず集団の平均値をとった客観的な外部指標を決まっています。
(例えば、血液検査では「血液に含まれる各成分が正常値の範囲内に収まっているかどうか?」を統計的なデータ(エビデンス)に基づいて判斷して、各臓器の状態を把握します。)
ここで、前提なるのは「一人ひとりの身体は皆同じ」ということ。
患者の訴え(「主訴」)をもとに、万人にとって何が大事なのか(「診察」)を探り、調べ当てたこと(「診断」)が、医療(「治療」)として提供されます。
西洋医学と統計学
西洋医学の言語化
【西洋医学】では「言葉」。
つまり、“言語化”が最も重要視されます。
「効能効果」・「用法用量」・「薬物動態」・「副作用」・「有害事象」...などを含め。
ひとつ一つに“言葉の意味”が決まっていて、データベース化されていきます。
なぜでしょうか?
それは...
言葉の定義がしっかりとしていないと、論理性を担保できないから。
というのが大きな理由です。
ただそれ以上に、「共通言語で語れる」ということは、“大きな強み”でもあります。
これは教育においても言えることです。
【西洋医学】は【東洋医学】よりも“言語化”が得意である
学問としての【西洋医学】は、解剖学、生理学、生物学、化学、物理学、免疫学、微生物学、心理学など。
理路整然・体系的に学ぶことで、“誰もが身につけられるような教育プログラム”として確立されています。
この結果、【西洋医学】は「主訴」→「診察」→「診断」→「治療」の順番で行われることが手順化されるようになります。
日本における西洋医学
日本は【西洋医学】で語られている言葉を『漢字』で当てはめます。
そのため、外来語を学ぶ感覚ではなく、日本語を学ぶ感覚で西洋医学を捉えています。
しかし、高校や大学では、理論や化学式が中心であり、「試験(テスト)で結果・高得点を出すためにどうしたらいいのか?」に焦点が置かれています。
私は「これでは学ぶ気持ちが起きにくいのではないか?」という気がしてならないです。
(実際に、私も学生の時はそうでした笑)
しかも、「自分の健康をどう守ったら良いのか?」、「どのようにして、栄養・食事のアドバイスをしたら良いのか?」などの視点。
つまり...
絶対的に“正しい”という答えがない問題に対して『自分の言葉として伝えられない』。
それ故に、内容が複雑で難しくなり、興味を失ってしまうのではないかと考えます。
西洋医学の前提となるのは「一人ひとりの身体は皆同じ」ということ。
しかし、実際(現代の医学)は...
「一人ひとりの体質や違いを前提に考えなければ説明できない」ということの方が多いです。
例えば、両親から受け継いだ遺伝子、育ってきた・今いる環境や生活習慣、過去にどのような病気を患い、どのような薬を使ってきたのか。
ホルモンバランスや消化・吸収・排泄能力、腸内環境、性格を含め、各個人で異なり、変化します。
だからこそ、「一人ひとりに適したもの (心と身体に合ったもの)」を選ぶことが重要となります。
「一人一人の違いを見るために、身体をどう評価するのか?」
ここで、【東洋医学】の観点が役に立ちます。
「医は仁術なり」
【まとめ】健全・最適であるために
【西洋医学】について、お話させていただきました。
医学とは「各個人の病気を治して、人々を健康に導くこと」が、本来あるべき姿です。
ただ、もっと深めて言うと…。
「健康である」、「病気である」というのは、“一つの状態”でしか無く、心と体のシステム全体として、健全・最適な方へ向かっているのか。
健全・最適であればあるほど、人生の幸福度・QOL(生活の質)は向上する。
これが“最も重要な視点”であると私は考えます。
そのためには、答えが「外(データやエビデンスなど)」にある【西洋医学】、答えが「内(その人にある)」にある【東洋医学】。
両者が歩み寄って両義的な視点を持ち、バランス良く調和して、お互いがその良さを活かし合うこと。
そして、「自分自身に適したもの (心と身体に合ったもの)」を選ぶことが大切です。
また、それが結果的に「美」と「健康」。
すなわち、「健康だからこそ美しい」にもつながり、一人ひとりが持っている本来の美と魅力として発揮される。
...と私は考えます。
『美のあり方』、あなたらしさを大切に...。
当サイトでは『美のあり方』をテーマに、【西洋】と【東洋】の英知による【美のための統合ケア】で、あなた本来の美と魅力を発揮していただけたら嬉しいです!
次回は[基礎編]第二章:【東洋医学】について、お話いたします。
今回はここまで!
【東洋医学】をテーマにした内容は色濃くて深い分、一気に理解しようとすると、頭が混乱してしまいます。
「本質はどこにあるのか、どのようなイメージ・言葉で捉えたら良いのか?」
少しずつ頭の中で整理していき、確認をしながら理解を深めていきましょう!
〜美からなるあなたへ〜
Beauty & Being & Best
美容薬剤師 佑:Task
【読めばナルホド!大事なポイントが分かる東洋医学】
[基礎編]
第一章:西洋医学とは?(←今回はコレ!)
第二章:東洋医学とは?
第三章:陰陽論
第四章:氣
第五章:血・津液
第六章:証(虚実・寒熱・表裏)
[理論・応用編]
第七章:五行論
第八章:五臓六腑(肝・心)
第九章:五臓六腑(脾・肺)
第十章:五臓六腑(腎・三焦)
第十一章:薬膳と漢方
[番外編]
第十二章:黄帝内経に基づく身体の変化