人間は生きていると様々な境遇に立ち会います。
特に、現代は大きく移り変わる時代でもあり、迷いやすく、「自分」という存在を見失いがちです。
「自分はどう生きたいのか?」
...と、思い悩んだことは有りませんか?
中国王朝の一つ、南宋(1127-1279年)の官史:朱新仲(1097-1167)は、「人間には五つの計(はかりごと)がある(五計)」と唱え、人生をよりよく生きるための教訓がまとめ伝えられました。
今を生きる私たちにとって、とても参考になるかと思いました。
「美しく生き、美しく身を整え、美しい家庭を築き、美しく老い、美しく死ぬ。」
今回は【美しく生きるためのヒント】として、『人生の五計』についてお話いたします。
“ほっ”とひと息とコーヒーブレイクでもしながら、本文をご覧ください。
人生の五計
『人生の五計』は、次の5つからなります。
人生の五計
- 生計
- 身計
- 家計
- 老計
- 死計
昭和初期の陽明学者・安岡正篤は、この『五計』を「いかに生きるべきか(生計)、いかに社会に対処していくべきか(身計)、いかに家庭を営んでいくべきか(家計)、いかに歳を取るべきか(老計)、いかに死すべきか(死計)」と解釈しています[参考]。
今の自分自身に当てはめてみて、一つずつ、問いてみてはいかがでしょうか。
生計
「いかに生きるべきか」
これはすなわち、「いかに健康な毎日を過ごすか」ということです。
健康は日々の生活の中から作られるもの。
「今日はひと駅分歩いてみよう」、「週3回はジムでトレーニングしよう」、「朝起きたら散歩しよう」。
こういうことも、生きる上での計画、『生計』です。
あなたは今、健康ですか?
そして、あなたにとって、「健康」とは何でしょうか?
簡単なことからでも良いです。
あなたも幸せに美しく生きませんか?
身計
「いかに社会に対処していくべきか」
これは「立身出世」という言葉に近いです。
何をもって世の中のために役に立つか、どのような職業、価値観で生きていくか。
自分の身の振り方や行いを計画するのが『身計』です。
あなたは今、社会の一員として、自分はどうありたいですか?
美しく身を整えて生きませんか?
家計
「いかに家庭を営んでいくべきか」
これは「家計簿」というお金のやりくりだけでなく、夫婦や親子関係のことでもあります。
お金の面では、どういう出し入れで生活するか。
家族の面では、どういう家庭を築いていくのか。
『家計』を正し、整うことは、よりよく生きるためにも大切であるということです。
あなたは自分の許容範囲を超えたお金の使い方をしていませんか?
お父さん、お母さん、兄弟姉妹、子どもなどと関係を築いていますか?
美しいお金の使い方、美しい家庭を築いていきましょう。
老計
「いかに歳を取るべきか」
「生老病死」、人は常に若いなどと恒常的なものを持っていなく、誰でも年を取ります。
私たちに唯一共有していること。
生まれること、死ぬこと、そして、それまでの時間であり、一本の糸のようにつながっています。
その糸がどう彩るのか、どう形作るのか、どう結ばれるのかは、人それぞれです。
どういう老年を迎えようか。
あなたはいかがでしょうか?
良い歳の取り方をするために計画する(『老計』)。
美しく老いてきませんか?
死計
「いかに死すべきか」
私たちはいつ病気をするのか、誰にもわかりません。
そして、いつ死ぬのかもわかりません。
人はそういう予測できない変化に翻弄され、悩み苦しみます。
それを克服、乗り越えるには、自分の生きる座標軸、生きる支えのようなものが必要となります。
自分の「死生観」について考えたことはありますか?
自分が生きた延長線上に、「死」があります。
「死」を迎える時、自分はどういう境地に至るのか。
あなたは最期、どう「死」を迎えたいですか?
今から『死計』を図ることも一考です。
美しく生きて、最期は、美しく死を迎えたいです。
【まとめ】よりよく私は生きる
「美しく生き、美しく身を整え、美しい家庭を築き、美しく老い、美しく死ぬ。」
【美しく生きるためのヒント】として、『人生の五計』についてお話させていただきました。
一つひとつの計(はかりごと)から、自分の人生を紐解くと見えてくることがあります。
今を生きている私たちは、どうしても外面・自分の外に意識が向いてしまい、内面・自分の中に意識を向ける時間が少なくなりやすいです。
一度立ち止まって、よりよく生きるため、美しく生きるために、自分の人生をどう生きたいのかを考える時間は大切だと、私は思います。
「自分がどう生きたいのか?」、「どうありたいのか?」、「自分にとって幸せとは何か?」。
これは永遠のテーマなのかもしれません。
今回の投稿を通して、あなたが思ったこと、感じたこと、気づいたこと。
ぜひメモなどに書き残して、時々見つめ直してみてください。